秋元康氏ら絶賛の「かいとうあっというま」の魅力とは？

絶賛された絵本「かいとうあっというま」が幻の作品に

近年、絵本業界で注目を浴びているのが、塚本ユージ氏が手がけた「かいとうあっというま」です。この絵本は、2008年に創設されたフジテレビKIDS、BSフジ、ポニーキャニオン、扶桑社の絵本大賞で第10回の大賞作品に選ばれ、名実ともに高く評価されています。しかし、この絵本賞は惜しまれつつも終了を迎え、実質的には幻の作品となってしまいました。

「かいとうあっというま」は、発売からわずか3ヶ月で1,000冊以上が販売される大人気を誇りますが、実際にはプロモーションがほとんど行われていません。そのため、在庫が減る一方で今後の増刷は厳しいと言われています。これが、同作品が幻の絵本として一層の価値を持つ理由です。

絵本が持つ新しいメッセージ

作品の描くストーリーは、楽しいひと時があっという間に過ぎ去ってしまうというテーマを扱っています。主人公は、「かいとうあっというま」という時間を盗む泥棒。遊園地の楽しさや誕生日パーティーの喜びを一瞬で奪ってしまうのです。

この絵本は、時間の大切さを考えさせるものでもあります。ある日登場する偉大な科学者が「かいとうあっというま」を捕まえると、人々は時間に余裕を持った生活を楽しめるようになります。しかし、これには思わぬ影響が……。

大人と子どもに向けた絵本の重要性

国がワーク・ライフ・バランス（WLB）を推進する中で、依然として多くの人々が時間に追われている現実。「かいとうあっというま」は、時間をつかさどるテーマを通して、読者に大切な時間の使い方を再考させます。

私たちは、日々忙しさに追われているあまり、大切な誰かとの時間を後回しにしてしまうことがあります。この絵本は、そんな現代社会において「本当に大切な時間とは何か？」を考えるきっかけを与えてくれることでしょう。