春の京都を彩る伝統の舞台「都をどり」が開幕
2025年4月1日から30日まで、京都市東山区の祇園甲部歌舞練場にて、令和七年第百五十一回公演「都をどり」『都風情四季彩(みやこのふぜいしきのいろどり)』が上演されます。この公演に向けた大ざらえ(公開リハーサル)が3月31日に行われ、80名の芸妓舞妓が息を合わせ、公演の練習を行いました。
「都をどり」の魅力
「都をどり」は、約150年以上の歴史を持つ京都最大の花街、祇園の舞妓や芸妓たちによる華やかな舞の公演です。創設は明治5年に遡り、当初は京都博覧会のアトラクションとして始まりました。今年は151回目の開催を迎え、2024年には記念すべき150回目を迎えました。普段はお座敷でしかお目見えすることができない芸妓舞妓たちが、一堂に会する貴重な機会でもあります。
舞台に立つための準備には、毎年1月から三味線や唄、太鼓や笛などの稽古が始まります。3月初めからは振付の練習が行われ、その後も舞台稽古を重ね、3月31日の大ざらえで最終調整が行われました。当日は衣装をまとった芸妓舞妓が、家元の指導のもと、舞や立ち振る舞いの細かい部分を確認し、全員で息を合わせて公演に臨みます。
今年の演目と衣装
今年の公演『都風情四季彩』は、全8景で構成されており、京都の名所や由緒に焦点を当てた内容となっています。特に第3景『宝鏡寺雛遊』では、雛人形の寺として名高い宝鏡寺を背景に、雛を愛でる女性たちが描かれています。また、第6景『清水寺成就院紅葉舞』では紅葉の庭を舞台にし、優雅な舞を披露します。
この公演の衣装は、衣裳発表で紹介された新調された京友禅の着物と西陣織の帯です。今年のテーマに合わせたデザイン、特に「蛤四季図」の衣装は、蛤と波頭のモチーフが美しく、肩口から咲き誇る鮮やかな枝垂れ桜のデザインが特徴です。これらの装飾は、芸妓舞妓の美しさを引き立て、多くの観客を魅了することでしょう。
さらに広がる「都をどり」への期待
八坂女紅場学園の杉浦理事長と京舞井上流五世・井上八千代家元は、公演の意義について語りました。杉浦理事長は「151回目の公演は、これまで関わった全ての方の思いが繋がった舞台。華やかさと魅力を伝えたい」と語り、井上八千代家元は「次の大きな節目に向けて新たな一歩を踏み出しました。1時間の公演があっという間だったと思っていただけるよう努力します。」と期待感を表明しました。
公演情報
- - 公演名: 都をどり
- - 会期: 2025年4月1日(火)~4月30日(水)
- - 公演時間: 1日3回、各約1時間
- 1回目: 12:30~
- 2回目: 14:30~
- 3回目: 16:30~
- - 会場: 祇園甲部歌舞練場
- - 料金: 茶券付一等観覧席7,000円、一等観覧席6,000円、二等観覧席4,000円、学生料金(限定)2,000円
この春、京舞とともに京都の歴史を体感し、心温まるひと時をお楽しみ下さい。公演の詳細は公式HPやSNSでご確認ください。