50代以上の女性が抱える住まいの不安とリフォーム意向調査の結果

シニア女性の住まいに関する意識調査

2025年1月、50～79歳の女性521名を対象に、ハルメク生きかた上手研究所が実施した「住まい・暮らしに関する意識・実態調査」の結果が発表されました。この調査は、シニア世代の住まいやリフォームに関する満足度や将来への不安を探ることを目的としています。

住まいに対する不安と満足度

調査結果によれば、半数以上の55.3%が将来の住まいに「不安がある」と回答しました。この不安は、家の老朽化や自然災害の影響が大きく、具体的には「家屋や排水管の老朽化」や「災害による被害」が上位に挙げられています。一方で、現在の住まいに対する満足度は75.3%に達しており、4人に3人が現住所に満足している結果となりました。

年代別では、年齢が高くなるほど将来に対する不安は少なく、現時点での満足度が高い傾向が見られます。しかし、70代以上でも40%以上が将来に不安を抱えていることから、各世代間での住まいに対する考え方には幅があることがわかります。

今後の居住意向

今後の居住意向については、「健康な間は今の住まいに住み続けたい」という意向が40.9%に対し、「死ぬまでずっと同じ住まいに住む」という意向も39.2%でほぼ拮抗しています。特に70代以上では、「死ぬまで同じ場所に住む」という考えが半数を超えることから、強い居住意向が見て取れます。逆に「高齢者向け施設に入所したい」という意向は、全体で14.2%と比較的少数派です。

一方で、シェアハウスに住むことに肯定的な意見もあり、全体の11.3%が「これも一つの選択肢」と認識しています。50代では「気の合う人と一緒に住みたい」という意見が多く、60代以上では「一人で住むより安心」といった声が上がっています。

リフォーム意向と予算

リフォームに関しては、3年以内に実施したいと考えている人は約8.6%に留まり、実際に予算として提示されたのは平均407.9万円でした。この調査でも、住居の老朽化や自身の高齢化に伴い、リフォームを考える人が特に60代に多いことがわかりました。無作為に集めた意見の中では、防犯対策や住まいのメンテナンスに関する考えも寄せられています。

防犯対策の実施状況

防犯についての意識も重要であり、56.4%の人が「防犯対策をしている」と回答しています。年代が上がるにつれて防犯対策を実施する割合は増加しますが、未実施理由の中には「何をするべきかわからない」といった情報不足や「設置費用がかかる」といった経済的要因も挙げられています。

まとめ

この調査からは、50代以上の女性たちが住まいについて多様な考えを持っていることが分かります。居住に対する強い意向と、同時に将来への不安が交錯しており、住まいやリフォームの選択肢を多様化させる要因となっています。特にシェアハウスのような新しい住まいの形への期待が見受けられることは、今後の住環境の在り方に示唆を与えるでしょう。