高度ITでの発達特性を活かす研究会が始動
発達障がいを持つ人々の能力を最大限に引き出し、より多くの就業チャンスを提供するため、「ニューロダイバーシティマネジメント研究会」が設立されました。この研究会は、株式会社日本総合研究所をはじめとする企業が協力し、発達特性を尊重した管制手法を探っていくことを目的としています。
背景と目的
発達障がいは約10%の人々に見られ、その特性は様々です。コミュニケーションの困難さや環境適応の難しさが指摘される一方、論理的思考や洞察力といった強みも兼ね備えています。「ニューロダイバーシティ」と呼ばれるこの動きは、こうした特性を多様性と見なし、相互に補完し合おうという考え方です。実際、海外では多くの金融機関やIT企業が発達障がいを持つ人材の活用を進めていますが、日本では依然として就職率が低い現状があります。
調査によると、発達障がいを持つ人の就業が進まない理由に「適切な業務がない」という回答が多く、これを打開するために特定業務・手法の研究が必要とされています。そこで設立されたのがこの研究会です。
研究会の活動内容
1. 業務特定とマネジメント手法の検討
本研究会では、参加企業の業務をモデルに、発達障がいを持つ人々がどのように能力を発揮できるのかを仮説立てます。そのため、発達特性を前提とした新たな業務プロセスを検討し、マネージャーや周囲のコミュニケーションの手法も見直していきます。さらに、能力が発揮できる職場環境の整備も行います。高度IT領域に特化する理由は、細部への注意力や特有の論理能力が特に評価され、多くの求人に結びついているからです。
2. インターンシッププログラムの開発
発達障がいのある人が実際の業務体験を通じて能力を発揮できるよう、インターンシッププログラムを設計します。このプログラムは、研究会の成果基に、業務適正を見極めるための環境を整えることを目指しています。
未来の展望
この研究会を通じて、高度IT領域における発達障がい者の採用を増やし、働き続けられる社会を実現したいと考えています。今後、キャリアパスの多様化やトレーニングの場の提供により、彼らが持つ能力を最大限に発揮できる社会を目指して活動を進めます。
多くの企業と協力しながら、多様性を尊重した働きやすい環境づくりを進め、発達障がいを持つ人々が自分の強みを持って活躍できる未来を創っていくことが期待されています。