冬に備える!太りにくい体を作るセミナーのレポート
一般社団法人日本美腸協会は、江崎グリコ株式会社と共に「冬の太りにくい体づくりセミナー」を開催しました。本セミナーには約170名が参加し、冬の基礎代謝や腸と代謝の関係について、最新の研究を基にした興味深い知見が紹介されました。
冬は本当に太りやすいのか?
多くの人が「冬は太る」と感じる理由は、実際には食べる量が変わらないのにも関わらず体重が増えることでしょう。参加者に行ったアンケートでも、多くの方が「代謝が落ちた気がする」と答えており、8割以上が「代謝の低下」を意識していることが浮き彫りになりました。
しかし、研究によると、冬は基礎代謝が上がる季節だという驚くべき事実も明らかになりました。本セミナーでは、その理由を腸と代謝の関係を通じて探求することを主なテーマにしました。
セミナーの目的:腸の役割
冒頭で、日本美腸協会の代表理事 北川睦子氏は、協会が行っている「腸教育」の重要性を強調しました。腸活市場の拡大に伴い、正しい情報伝達が求められる中、協会では医師や企業と連携し、信頼できる情報を提供しています。
これまで6,000名以上への健康教育の実績を持ち、腸を起点とした健康文化の普及に相当力を入れています。
冬の太りやすさの原因
このセミナーには、日本美腸協会の顧問である小林暁子医師が登壇し、冬に代謝が上がるにも関わらず太る理由を以下の3点にまとめました。
1. 寒さで外出が減少し、活動量が低下する
2. 年末年始の食習慣によるカロリーの摂取増加
3. 日照不足がセロトニンを減少させ、自律神経を乱し、腸の働きを低下させる
これらの要因は、冬に体重が増える理由を「腸」や「生活リズム」という視点から考える必要があることを示唆しています。
エネルギー消費の内訳
代謝には3つの内訳があることをご存じでしょうか。これが、
- - 基礎代謝:60%
- - 食事誘発性熱産生:10%
- - 身体活動量:30%
最もエネルギー消費が大きいのは基礎代謝で、じっとしている状態でもコストがかかることが理解されました。また、この基礎代謝の中に、腸のエネルギー消費も含まれています。腸の調子が悪くると、基礎代謝にも影響が出ることが明らかになりました。
腸内細菌と代謝の関連
小林医師が言及した約2万人の腸内細菌データにより、BMIの低い人ほど腸内細菌の多様性が高い傾向があることが確認されました。特に、短鎖脂肪酸を生成する酪酸菌がキーポイントだとされます。これにより、食生活やストレスが腸内環境に与える影響が示され、腸から代謝を整える重要性が再認識されました。
Glicoの研究成果
江崎グリコからは、GCL2505株のビフィズス菌と水溶性食物繊維であるイヌリンが、安静時エネルギー消費量を向上させることが実証された結果が報告されました。臨床試験により、実際にエネルギー消費が24時間で84.4~101.8kcal増加したことが確認されました。これは、実際には歩数や食事量に換算するとおにぎり1/2~2/3個分に相当します。
冬太りに関する新しい知識
セミナーを通じて得られた3つの新常識は、以下の通りです。
- - 冬の代謝は上がるが、太る原因は「腸」や「生活リズム」にある。
- - 安静時エネルギー消費量を高めるためには腸が鍵となる。
- - ビフィズス菌と水溶性食物繊維の摂取が、腸の健康を保ち、体脂肪を減少させる。
参加者からは「体験を通して、腸の重要性を再認識した」といったポジティブな感想も多く寄せられました。このセミナーは冬に向けて健康的に体重を管理するための新たな視点を提供する経験となりました。
最後に、日本美腸協会は今後も腸から健康を支える社会作りに貢献していくことを宣言しています。