神戸市でデジタル化が進む避難所入所受付の実証実験

神戸市が進める避難所入所受付のデジタル化

近年、異常気象や災害の増加が懸念される中、神戸市は避難時の混雑を軽減し、より安全で迅速な避難を実現するため、避難所入所受付のデジタル化を試験的に導入しました。この取り組みは、株式会社バカンが提供するAI技術を用いたもので、入所手続きをスピードアップすることを目的としています。

デジタル化の背景と目的

自然災害が多発する中で、避難所のスムーズな運営が求められています。神戸市とバカンは、2025年2月8日に神戸市立渚中学校にて、灘区と中央区在住の住民を対象とした実証実験を行いました。この実験では、避難者が紙のカードに記入する代わりに、アプリやマイナンバーカードリーダーを活用して、入所手続きをデジタル化しました。

実証実験の具体的手順

避難所入所受付のデジタル化には、いくつかの手順が含まれています：
1. アプリへの事前登録：避難者は事前にアプリ内で自身の情報を登録します。
2. QRコード読取：避難者が避難所に到着した際に、アプリのカメラでQRコードを読み取ります。
3. WEBフォームへの入力：QRコードを通じてアクセスできるWEBフォームに情報を入力します。
4. マイナンバーカードリーダーの利用：避難者がマイナンバーカードをリーダーにかざして登録することも可能です。

従来の紙媒体の場合、受付手続きには1人あたり平均1分19秒を要していましたが、アプリを使った場合はたったの7秒で済み、WEBやマイナンバーカードでは16秒という結果が得られました。このことから、デジタル化が効率的であることが証明されました。

利用者の反応

実証実験に参加した避難者48人に行ったアンケートでは、デジタル化された各手続きがスムーズであったとの声が多数寄せられました。特に、マイナンバーカードリーダーを使った受付は88.6%、アプリを使用した受付は83.9%と高評価でした。これは、デジタル化が待機時間を大幅に短縮し、ストレスの少ない避難を実現したことを示しています。

今後のデジタル化の展望

バカンは、今後も避難所の混雑情報の提供や、マイナンバーカードを活用したさらなる入退所管理機能の追加を計画しています。また、公共施設の予約や地域イベント情報の発信など、日常的な機能とも統合していく方針です。これにより、より多くの自治体と協力し、災害時の避難をスムーズにするためのシステムを構築していく意向を示しています。

企業情報

株式会社バカンは、AIを利用して様々な場所の空き状況を可視化し、混雑情報を提供しています。創業以来、地域の安全性向上に努めており、特に避難所に関するデジタル化の実証実験は、今後の災害対策における重要なモデルケースとなることでしょう。

このような取り組みを通じて、神戸市は未来の防災対策を一歩前進させるとともに、全国の自治体にとっても参考になる事例を提供しています。