健康医療相談の未来を考える意見交換会が開催
2025年5月29日、東京都台東区にあるティーペック株式会社の本社にて、一般社団法人健康医療相談品質向上協会(AHMC)の第1回意見交換会が開催されました。この会議には、ティーペックの代表取締役社長である鼠家和彦氏を始め、小児救急医療サポートネットワークの福井聖子氏、そして協会の副代表理事である今野由梨氏と東島俊一氏が出席し、健康医療相談のさらなる質の向上について熱心なディスカッションが交わされました。
協会設立の背景
AHMCは、遠隔健康医療相談の普及とその品質向上を目的に設立され、すでに1年以上の活動を経ています。参加者は、協会成立の経緯やその意義、これまでの成果について語り、自身たちが直面している課題についても深堀りしていきました。
鼠家代表理事は、自身がヘルスケア業界に入ったきっかけや、現在の医療相談が抱える課題について語りました。「#8000」を含む公的サービスの一般入札における価格競争が、相談の品質を損なう恐れがあるとし、その重要性を認識する必要があると強調しました。その後の発言では、協会が現在5社の会員を持ち、その内容や活動の意義について再確認する時間となりました。
小児医療とその課題
意見交換会では、たくさんの視点から小児医療の現状にも触れ、特に福井聖子氏が持つ現場からの視点が重要視されました。福井氏は、小児医療の課題として、特に0歳児の母親への支援が手薄であることを挙げました。これは、現在の核家族化の進展に伴い、新しい親たちが子育ての経験が少なく、医療への不安を抱える傾向にあるからです。さらに、小児病院でのベッド数が減少する中で、医療体制の整合性が求められています。
電話相談「#8000」の現状
福井氏は、「#8000」のような電話相談サービスが小児医療において、受診の適正化や不安解消に寄与していると語ります。「#8000」では、トリアージに基づき、保護者の話をじっくりと聞く姿勢が適切な受診につながっているとの声が現場から寄せられています。入院を必要とする子供が減少する一方で、医療相談の場はその重要性を増していると強調しました。
今後の展望と期待
意見交換会では、協会の今後の活動方向性や、医療者目線での民間主導の取り組みへの期待などが議論されました。特に福井氏は、医療現場の縦割り構造の問題を指摘し、協会が医療体制に必要な問題提起を行っていくことに期待を寄せました。協会は今後も、医療者との協力を通じて相談の品質向上や制度の改善の提案を行うことが求められています。
まとめ
この意見交換会は、医療相談の品質向上に向けた重要なステップとなりました。AHMCの活動は、今後も健康医療相談の普及・発展に寄与し続けていくことでしょう。今後の進展に期待するとともに、「#8000」の可能性をさらに広げていくための取り組みが進められることが望まれます。