MIPCOM 2024での吉本興業の取り組みとその影響
2023年10月21日、フランス・カンヌで開催された世界最大級のテレビ・映像コンテンツの国際流通マーケット「MIPCOM 2024」に、吉本興業が出展しました。これは、2022年に続く参加であり、吉本が誇る人気番組「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」が国際的に評価されていることを示すものです。今年のMIPCOMは、出展者の数や参加者が増加し、国際的な交流の場としてさらに盛り上がっています。
吉本興業は、このイベント初日に基調講演を行い、Amazon MGM Studiosの国際オリジナル作品責任者であるジェームズ・ファレル氏と共に、世界25以上の国と地域で展開している「LOL: Last One Laughing」の成功の秘訣を掘り下げました。岡本社長は、番組の発展の背景にある思いを語り、笑いを通じての文化交流の重要性を強調しました。
MIPCOMについて
MIPCOMは、カンヌ国際映画祭の会場で行われ、今年で40回目を迎えました。このイベントには、世界中のコンテンツホルダーとバイヤーが集まり、バラエティ、ドラマ、ドキュメンタリーなどさまざまなジャンルの商談が行われています。昨年も含め、今年は110カ国以上から330社の参加が見込まれており、11,000人以上が集まるとのことです。
日本からは、吉本興業のほかにも多くのテレビ局やアニメーション会社が参加しており、国際的なビジネスチャンスを掴むための貴重な場となっています。
基調講演の内容
基調講演「Master Mind Keynote」では、笑いのコンセプトをテーマにしたディスカッションが行われました。岡本社長は、2016年に日本で公開された「ドキュメンタル」の海外版が「LOL」として展開される際の経緯や、開発に至った背景を語りました。また、今後の展望についても示唆を提供しました。
去年のMIPCOMでは、岡本社長がジェームズ氏からLOLフォーマットの提案を受けた際のエピソードも交え、「社員の反対がなければ、売却してしまっていたかもしれない」という軽妙なジョークも飛ばし、笑いを誘いました。ジェームズ氏は、日本のバラエティ番組が有する魅力について言及し、岡本社長がそのアイデアを持ち込んだことがきっかけで大きな成功を収めたと述べました。
世界での展開
「LOL」は、メキシコ版の配信に始まり、イタリア、ドイツ、フランスを含む20カ国以上で展開されています。この番組は、Amazonプライムビデオで視聴される中で最も人気があるタイトルとされ、各国ごとに独自の文化に適合させた展開を行っています。岡本社長は、松本人志が持つ才能が、作品の世界的な広がりに寄与していることを強調しました。
ジェームズ氏は、初期の制作が困難であったことを認めつつ、その自由なフォーマットが他国での成功に結びついていると説明しました。この点を受けて、岡本社長は、次世代のタレントやクリエイターがこの環境を活かして世界に挑戦する機会が広がっていることを喜びとして語りました。
まとめ
最後に、基調講演にはイタリアやフランスのオリジナル制作担当者も参加し、LOLの魅力について話し合いました。トーマス氏は、LOLがこれまでにないコンテンツであり、視聴者にとって新しい価値を提供したと語りました。一方、ニコール氏は、特にファミリー層向けに制作されたことで、世代を超えて楽しむことができるフォーマットとなったと評価しました。これにより、コロナ禍の中でも多くの人々が笑いを取り戻せたことが功を奏しました。
岡本社長は、日本のファンがコンテンツに対する深いリスペクトを持っていることを再確認し、世界でさらに展開を続けていくことの重要性を強調しました。これらの取り組みが、今後の日本の映像コンテンツの発展につながることを期待します。