カスタマーハラスメント実態調査で明らかになった顧客の意識と企業の対応
最近、パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』が実施した「2026年 カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する意識調査」が注目されています。この調査は463人の社会人男女を対象に、消費者としての不満やその理由、意見の伝え方などを分析したものです。ここでは、その調査結果を詳しく見ていきましょう。
調査の背景と目的
近年、顧客からの不満やハラスメント行為に対する企業の対応が問題視されています。カスタマーハラスメントは、顧客が店舗やサービスに対して不当な要求や暴言を吐くことを指し、企業や従業員にとって大きな負担となっています。厚生労働省の調査でも、近年この問題が増加していることが示されており、2026年には新たな法律が施行され、企業側にハラスメント防止の義務が課せられます。
この調査は、企業が抱えるカスハラへの意識の高まりと同時に、顧客側の不満についても重要なデータを提供しています。調査結果を見てみると、顧客が実際に感じている不満の背景や、伝え方に関する意識が垣間見えます。
調査結果の概要
1. 不満の経験とその理由
調査では、77.1%の人が過去に企業やサービスに対して「不満を感じたことがある」と回答しました。主な理由は「店員・担当者の態度」が64.4%と最も多く、その後に「説明や案内が不十分」(41.5%)、さらには「商品・サービスの品質」(38.4%)と続きます。これらの結果から、顧客が不満を持つ背景には、対人関係やサービスの質への要求が大きいことがわかります。
2. 不満を感じた時の感情
不満を感じた際の感情について聞いたところ、54.6%が「納得できずモヤモヤする」と回答しており、自己の感情に整理がつかない様子が浮き彫りになりました。他にも、45.4%が「損をした感覚になる」とし、顧客が不満を持つことは金銭的にも精神的にも負担を感じることに繋がっていると言えます。
3. 不満を伝えたかどうか
調査対象者の中で、実際に不満を伝えたと答えた人は37.5%にとどまり、その理由には「改善を望んでいるから」と答えることが多かったです。しかし、伝えなかった理由の上位には「時間や手間がかかる」(42.7%)、そして「面倒な客だと思われたくない」(32.5%)が挙げられ、伝えることへのハードルが高いことを示しています。
4. カスハラへの意識
また、全体の37.8%が「無自覚にカスハラにあたる言動をしているかもしれない」と感じていることも意義深い結果です。ハラスメントの境界線が曖昧であることが理解されており、自己認識の重要性が浮き彫りになっています。
企業に求められる対応
2026年、改正労働施策総合推進法の施行により、顧客からのハラスメントへの企業の対応が求められます。企業は、相談窓口の設置や従業員への教育を強化し、ハラスメント行為を未然に防ぐ体制を整える必要があります。
まとめ
今回の調査結果は、顧客としての意見表明への肯定派が多い一方で、実際の行動にはギャップがあることを示しています。顧客が意見を伝えることに対して積極的でありながらも、その過程での手間や周囲の評価が行動を萎縮させているのです。カスハラ対策としての意識を高め、顧客と企業が共に誠意を持ってコミュニケーションを取ることが、今後ますます重要になるでしょう。今後もJob総研は、労働市場における様々な課題を探求し、より良い労働環境の実現へ向けて貢献し続けます。