福利厚生充実の動き
2025-10-23 18:48:23

企業約50%が福利厚生充実を計画も中小は資金面で慎重

企業の約50%が福利厚生充実を計画も中小は資金面で慎重



株式会社帝国データバンクが実施した全国2万以上の企業を対象にしたアンケート調査によれば、福利厚生の充実を考えている企業は47.6%にも上ります。これは、採用活動や従業員の定着率を向上させる目的で、企業が福利厚生の重要性を認識し始めていることを示しています。

大企業と中小企業の格差



調査結果を規模別に見ると、大企業において「福利厚生を充実させる予定」と回答した企業は57.9%であるのに対し、中小企業は45.8%にとどまりました。特に、小規模企業では38.5%という低い割合であり、その背景には資金的な余裕のなさが影響していると考えられます。

中小企業からの意見では、「原資の確保が難しい」「賃上げの方が重要」といった声が多く、福利厚生の充実には厳しい現実があることが伺えます。特に、最低賃金の上昇などによりコストが圧迫される中、小規模企業は負担が重く感じているようです。

業界ごとの状況



業界別の分析では、建設業界が58.7%で最も高く、続いて運輸・倉庫業が55.1%を示しました。これらの業界は人手不足が深刻で、社員のエンゲージメントを高めるためにも福利厚生を充実させる必要に迫られています。一方、建材・家具製造などでは、福利厚生よりも賃金アップの方が優先視されている模様です。

従来の制度と働き方改革



現在導入されている福利厚生については、「通勤手当」が85.5%でトップを占め、続いて「慶弔休暇」(85.4%)が続きました。この結果を見ると、長年の間に確立された従来型の制度が依然として多くの企業で根付いていることが分かります。

しかし、働き方改革関連の制度としては、「短時間勤務」や「在宅勤務」などがそれぞれ37.5%、28.5%と導入率が低い結果となりました。特に中小企業は、IT環境の整備に必要な資金力が不足しており、留意すべき課題が浮かび上がります。

今後の福利厚生の展望



調査では、今後取り入れたい福利厚生のトップには「社員旅行の実施・補助」と「フレックスタイム」が挙がりました。社員間のコミュニケーション不足が指摘される中で、社員旅行が再注目されていることを示しています。また、フレックスタイムの導入には、多様性に応じた働き方のニーズに対応したいとする企業の声が多く寄せられました。

調査結果からは、若年層を中心に「働き方の多様化」や「ワークライフバランス」を重視し、自社の福利厚生の充実が企業選びにおいて重要な基準となっていることが見て取れます。人手不足が続く中で、企業はより一層、魅力的な職場環境を提供する必要性が高まっています。

結論



今回の調査を通じて、福利厚生の充実が企業にとって喫緊の課題であることが浮き彫りになりました。特に、中小企業の資金的な課題を克服するためには、政府の支援や企業内部での制度設計が重要です。企業は今後、多様なニーズに応えるため、柔軟な福利厚生の提供を積極的に検討していく必要があります。


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