プロボノの未来を示す『プロボノ白書2025』
認定NPO法人サービスグラントは、2025年11月に活動20周年を迎え、これを記念して『プロボノ白書2025』を発表しました。この白書は、同法人が長年にわたり蓄積してきたプロボノに関する知見や事例を基に、社会におけるプロボノの重要性とその変遷を詳細に記録しています。
プロボノとは?
プロボノ(Pro Bono)とは、公共の利益に寄与する目的で専門的な技能と知識を活かした無償の支援活動を指します。ラテン語の「pro bono publico」に由来し、社会的貢献の一環として広がりを見せています。日本におけるプロボノの起源は1998年のNPO法施行にあり,その後、多くのNPOが設立される中でプロボノの考え方も浸透してきました。
日本におけるプロボノ活動の広がり
日本では阪神淡路大震災以降、NPOの数が急増し、プロボノ型の支援を行う組織も続々と設立されました。2010年代に入ると、企業の社会貢献の取り組みとしてプロボノが採用され始め、自治体や地域活動ともリンクしていく流れが見られます。白書の第1章では、NPO、企業、自治体、個人の観点からプロボノの重要性が改めて強調されています。
企業がプロボノを導入する理由
企業にとってプロボノは、社会貢献活動を通じた価値向上や問題解決能力を育むための重要な戦略です。特に、社内の従業員が異なる環境でチームワークを経験することは、リーダーシップスキルを向上させるステップとなります。また、NPOとの協働を通じて、新しいアイデアやイノベーションを生み出す機会にもなります。白書の第2章では、実際にプロボノを導入している企業の体験やインパクトが紹介されています。
地域活動におけるプロボノの役割
少子化や高齢化による地域のつながりの希薄化が進む中、プロボノは地域活性化の手段としても注目されています。参加した人の多くが、その前は地域活動に無関心だったにもかかわらず、プロボノを通じて関心を持つようになったという調査結果もあります。具体例として、白書の第3章では、市民の参加を促した結果、地域活動への興味が高まった事例が挙げられています。
プロボノの多様性と新たな挑戦
プロボノの形は多様化しており、個人単位に参加できる形や、社会調査と連携した形、さらにはママによるプロボノ(ママボノ)など新しいスタイルが生まれています。第4章では、これらの幅広い活動を詳細に見ていきます。また、国外のプロボノ活動の事例も紹介し、多様なアプローチがどのように実践されているかを考察します。
プロボノの数字で見る実績
プロボノ支援を受けた団体の99%がその支援に対する満足度が高いと回答しており、プロボノ参加者の98.1%もその経験に良い印象を抱いているとの結果が得られています。数字は成果を語り、プロボノ活動の影響力を立証しています。こうしたデータは第5章において、サービスグラントがコーディネートしたプロジェクトから得られたものであり、今後のプロボノ活動への一層の期待を生んでいます。
まとめ
サービスグラントは2005年から日本のプロボノ活動の先駆者として活動を続けており、国内外でプロボノを推進する役割を果たしています。2025年に向けて、さらなる活動の広がりとその影響力を期待しながら、私たちも各自の立場で社会貢献に参加していくことが求められています。プロボノの理念に賛同する多様な人々が集い、共創によって新しい価値を生み出す社会の実現を目指しましょう。