三菱重工が沖縄の廃棄物焼却施設を改良、持続可能なエネルギーへ
三菱重工が沖縄で進める新たな廃棄物焼却施設の改良工事
三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC)が、沖縄県糸満市にある一般廃棄物焼却施設「糸豊環境美化センター」の改良工事を手がけることとなりました。このプロジェクトは、南部広域行政組合から受注したもので、契約金額は15億600万円(税抜)とされています。そして、工事は2026年3月の完成を予定しています。
施設の概要と改良の目的
糸豊環境美化センターは、1998年3月に三菱重工の設計・施工により完成した施設で、現在は200トン/日のストーカ式焼却炉を備えています。しかし、年数が経過する中で、設備の老朽化が進行しています。このプロジェクトでは、まず経年劣化した給水設備や電気計装設備、排ガス処理設備の主要機器を更新することで、施設の長寿命化と省エネルギー化、及びCO2排出量の削減を目指します。
省エネへの取り組み
今回の改良工事では、高効率モーターや高効率変圧器を導入し、施設の省エネルギー化を図ります。また、新たに設置される295kWの蒸気タービン発電機は、ボイラーの余剰蒸気を有効活用して、施設内の電力購入量を削減する役割を果たします。これにより、年間のCO2排出量は前年比で約3%以上の削減を目指しています。
環境への配慮
排ガス処理設備には、MHIEC独自のPTFE製ハイブリッドバグフィルタが採用され、ダイオキシン除去率は世界トップレベルです。この技術を活用することで、設備の耐久性向上と薬剤使用の削減が期待されています。こうした取り組みは、全体的なライフサイクルコスト(L.C.C.)の低減にも寄与します。
廃棄物焼却施設の現状と将来の展望
近年、環境問題への対応として、一般廃棄物焼却施設の長寿命化と温暖化対策を目的とした改良工事が増加しています。これには、環境省が制定した交付金制度が背景にあります。市町村が行う一般廃棄物処理施設の改良に対しては、その費用の一部が国から補助金として交付されるためです。今後も、MHIECは廃棄物処理施設に対して先進的設備の導入を支援し、持続可能な社会の実現に向けて邁進していく方針です。
企業の強みと今後の展開
MHIECは、三菱重工が積み重ねてきた環境装置分野の技術力と、豊富な実績を背景に持っています。これまでの経験を基に、建設から運営、さらには省エネ化や安定稼働の維持・向上、維持管理費を含むL.C.C.の低減を目指した提案を積極的に行っていくことで、今後の受注拡大に繋げていく考えです。
まとめ
今回の改良工事は、一般廃棄物焼却施設の近代化と環境への配慮が求められる今の時代において、非常に意味のある取り組みといえます。沖縄県糸満市において、持続可能なエネルギーの活用とCO2削減を実現するこのプロジェクトにより、地域の環境負荷が軽減されることが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
三菱重工業株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号丸の内二重橋ビル
- 電話番号
-
03-6275-6200