GEヘルスケアが提供する道内初のコマンドセンターで医療課題解決を目指す函館中央病院の挑戦

GEヘルスケアが函館中央病院で新たな医療改革を始動

2023年11月、北海道函館市に位置する函館中央病院は、米国のGEヘルスケア・ジャパンと契約を締結し、病院内に初めてコマンドセンターを導入しました。このセンターの稼働は2024年6月から開始され、すでに翌7月には病床利用率が目標を上回る成果を達成するなど、大きな効果が見込まれています。

地域基幹病院としての重要性と課題

函館中央病院は、北海道南渡島医療圏において、急性期医療や小児・周産期医療の重要な拠点に位置しています。しかし、少子高齢化や人口減少といった地域の特性から、病床の利用率が80%台にとどまり、迅速な入院処理が課題となっていました。特に、緊急入院のケースでは病棟のベッド割り当てに時間がかかることが多く、患者ケアの質を保つための改善が求められていました。

コマンドセンターの導入とその背景

GEヘルスケアが提供するコマンドセンターは、米国のジョンズホプキンス大学病院と共同開発され、既に世界各国で効果が証明されています。日本においても2021年から導入が進んでおり、函館中央病院はその最前線に立つこととなりました。

約半年をかけた導入プロジェクトを通じて、病院内に改善の文化が根付き、病床利用率向上という具体的な成果が早期に表れました。特に、稼働準備の段階から医療従事者の意識が変化したことが、後の成功に繋がったと関係者は分析しています。

実績と今後の展望

コマンドセンターは、病床の取得状況を瞬時に把握できるシステムであり、その導入後すぐに稼働率は90%台を達成しました。病床管理を効率化し、患者受け入れのスムーズさを実現することで、スタッフの行動変容を促しています。特に、タスクの見える化で「自分たちでどのように利用率を維持できるか考えるようになった」との声もあり、病院全体の意識改革が進んでいることがわかります。

更に、病棟間の業務負担の平準化や入退院調整の効率化も期待されており、GEヘルスケアと函館中央病院は継続して課題解決に向けた取り組みを強める予定です。

導入の声と期待

函館中央病院のベッドコントロールセンターの担当者である高橋元氏は、「CapacitySnapshotは、リアルタイムで稼動病床を把握できるため、限界のある手作業から解放され、医療現場の効率性が飛躍的に向上した」と述べています。

また、副看護部長の中村真奈美氏は、「コマンドセンターの導入により、業務効率の向上、スタッフの意識改革、プロセスの見直しが行われ、これからも病床利用率の向上に寄与したい」と語っています。

さらに副院長の金山雅弘氏も、「リアルタイムで見える化されることによって、急な入院時にもスムーズに対応できる。これまで見えなかったものが見えるようになったことが、業務改善に大きく貢献している」と強調しています。