新潟発ベンチャーの挑戦
新潟市に拠点を置くInquiry合同会社(代表:山本一輝)が、地域の人事部不在問題に対処する新たな取り組みを始めています。創業10周年を迎える2026年3月に際し、リブランディングを行い、事業体制を刷新。この10年間で培った89の企業、自治体、学校との協力実績を基に、地方都市の課題解決に向けた新たなステージへと移行します。
地域の人事部の必要性
地方では、若者の流出や中小企業の専任人事不在が問題視されています。多くの場合、人事関連の業務は経営者や管理職が兼任し、結果として「人が採れない」「定着しない」「育たない」という状況が続いています。これは因果関係にある負の循環を生み出し、ますます地域から若者が離れています。
より深刻化しているこの問題を受け、Inquiryは地域ぐるみで解決策を提供していくアプローチを構築しました。「一社では解決できない課題を、地域全体で取り組む」という考え方が、経済産業省が提唱する「地域の人事部」に繋がります。
新たな事業体制
Inquiry合同会社は、過去10年の知見をもとに3つの事業領域を設定しました。これらの領域は相互に補完し合い、持続可能な変化を生み出す仕組みとして機能しています。
1. HRパートナー領域
この領域では、採用、育成、評価、さらには制度設計と組織文化の改革までを包括的に支援します。人的資本を単なるコストではなく、価値創出の源泉として捉え、サステナブルな経営の実現に寄与します。
2. ラーニングデザイン領域
「学ぶ」という行為を単なる教育ではなく、変化をもたらすプロセスと位置付け、企業における人材育成プログラムをオーダーメイドで設計します。具体的な事例としては、地域企業での実践型インターンシップや「ルーキーズカレッジ®」が挙げられます。これによって高卒者の就職率向上も実現しています。
3. インパクトデザイン領域
この領域では、企業、行政、学校、NPOなど多様な主体を結びつけ、目的と成果を可視化します。南魚沼市や三条市での人事部設立プロジェクトが成功を収め、多くの企業や地域で広がりを見せています。
情報発信の強化
リブランディングに伴い、Inquiryのウェブサイトも全面的にリニューアルされ、プロジェクト事例を公開しています。また、YouTubeチャンネルも開設し、当事者の言葉と表情を通じて変化のプロセスを伝えています。
次の10年への展望
山本代表は、「人を育てなくてはならない企業が、大半である地方の多くの中小企業への機能を地域で共有する仕組みが重要だ」と語ります。今後10年にわたる挑戦のスタートを切った今回のリブランディングは、地域の人と組織の可能性を開くための重要な第一歩です。Inquiry合同会社は、次すでに次の10年を見据えた決意を新たにしています。
企業情報
Inquiry合同会社は、2021年4月に設立され、組織開発や人材育成、地域の人事部コンサルティングを行っています。その理念をもとに、地域と共に成長し続ける目指しています。