新たな空調設備点検システム
三井不動産株式会社とダイキン工業株式会社のコラボレーションにより、2025年4月から日本橋室町三井タワーに新しい空調設備の点検システムが導入されることが発表されました。このシステムは、ダイキンが開発したエアハンリモート点検サービスを基にしており、LTE通信を使用して、遠隔からリアルタイムで空調機の状態を確認することが可能です。
システム導入の背景
近年、企業が直面している大きな課題の一つが人手不足です。特に、空調設備の定期点検業務は欠かせないものの、現場での目視や測定が必要で、作業員に大きな負担がかかることが知られています。このような中で、三井不動産は新しいテクノロジーを活用した点検方法を模索していました。そこでダイキンの通信技術を活用することで、現場に出向くことなく、空調機の状態をモニタリングできるシステムの導入を決定しました。
新システムの特長
新たに導入される空調点検システムでは、空調機内部に設置されたセンサーが、空調設備の稼働データを収集し、クラウド上にデータを集約します。これにより、作業員は任意の場所からスマートフォンやタブレットを使用して、リアルタイムで設備の状態を確認することが可能になります。
このシステムは、従来のBluetooth通信から更に進化させたもので、より迅速かつ正確なデータを提供します。特に、計測データによってメンテナンスの必要性を判断し、故障が発生する前に必要なメンテナンスを実施できることが、運用の効率化に寄与するでしょう。これにより、定期的なメンテナンスから状態に基づいたメンテナンス方式への移行も目指されています。
導入によるメリット
1.
省人・省力化:自動でデータを集計し、手作業による確認作業が不要となります。また、異常が発生した際のみ現場に出向くことが可能となり、不要な労力を削減できます。
2.
不要なメンテナンスの削減:センサーから得られるデータを基に、必要なフィルターや部品の交換時期を予測し、無駄なコストを抑えることができます。これにより、適切なタイミングでのメンテナンスが可能となります。
日本橋室町三井タワーの概要
- - 所在地:東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号
- - 敷地面積:約11,484㎡(延床面積:約166,728㎡)
- - 規模:地上26階、地下3階、高さ約142m
- - 竣工年月:2019年3月
三井不動産グループのサステナビリティへの取り組み
三井不動産は「共生・共存・共創により新たな価値を創出する」という理念の下、社会的価値と経済的価値の両立を目指しています。新グループ経営理念では、産業競争力への貢献や環境との共生、安全・安心の確保など、さまざまな課題に取り組むことを掲げています。今回の新空調点検システムの導入も、この理念の一環として位置づけられています。これにより、効率的な業務運営だけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与していく意向です。
まとめ
三井不動産とダイキンの連携により、今後の空調点検業務は大きく変わることが予想されます。新たなテクノロジーがもたらす利便性と省力化は、企業の業務効率を大幅に向上させ、空調設備の維持管理方法に革命をもたらすことでしょう。これにより、より少ない資源での運用が実現し、企業の持続可能性に寄与することが期待されます。