KAERU株式会社が島根で高齢者支援のDX化を促進

超高齢社会への対応

KAERU株式会社は、島根県社会福祉協議会と連携し、高齢者支援業務のデジタル化を進める新サービス「KAERU Biz 権利擁護」を発表しました。このサービスは、島根県内の高齢者に向けて金銭管理や権利擁護を効率よく支えることを目的としています。日本は急速に少子高齢化が進行しており、単身世帯や身寄りのない高齢者が増加しています。この背景には、認知機能が低下した結果、日常生活の金銭管理ができなくなってしまう事例も多くあります。これにより、在宅高齢者390万人のうち30万人は、子供などの親族による支援を得られずにいるのです。加えて、支援者が直接金銭を扱うことによる事務負担やリスクも深刻な状況です。

課題とその対応

KAERUが行う「KAERU Biz 権利擁護」サービスは、これらの課題に対する一つの解決策として期待されています。このサービスでは、支援が必要な高齢者が持つプリペイドカードに対して、支援者が遠隔での金銭管理を行える機能が備わっています。これにより、金銭管理がより効率的に行なえるだけでなく、現金取り扱いに伴うリスクも軽減されるのです。高齢者が直面している「お買い物をしたい」「すぐにお金が必要」といったニーズにも応えられます。

KAERUは、2023年9月21日に新しいサービスをリリースし、すでに多くの関心を集めています。このサービスを通じて、社会福祉協議会や成年後見人への業務支援が行われるため、支援の質も向上するでしょう。

地域包括支援との協力

島根県では、社会福祉協議会が金銭管理サービスの効率化を求めており、特に中山間地域では金融機関の統廃合によって支援体制が脅かされています。従来の方法では、頻繁な支援が必要な高齢者に対して十分な対応が難しく、サービス料金の増加も問題視されています。そうした中で、KAERUの導入が支援効率の向上につながることが期待されています。

今後、各市町村社協へのサービス導入を進めつつ、その効果を検証することで、新たな支援スタイルを模索します。KAERUのサービスによって、より多くの高齢者に質の高い支援が届けられることを目指しています。

KAERU株式会社について

KAERU株式会社は2020年に設立され、東京を本社とする企業です。高齢者に向けた金融サービスを提供し、安心して歳を重ねられる社会づくりを目指しています。代表取締役である岡田知拓氏は、ペイメントサービスの知識と経験を有しており、KAERUの設立に至りました。現在、この新しい取り組みが日本全国に広がることが期待されており、地域社会における高齢者の生活がより豊かになることを願っています。