株式会社サトーの新型RFIDタグが実現する業務効率化
株式会社サトー(東京都港区本社)は、特許出願中の新型UHF RFIDタグを開発した。これにより、積層状態でも高精度に読み取りができる技術が実現され、2025年11月から日本国内での導入提案が開始される。従来のRFIDタグでは、複数枚のファイルが重なっていると通信性能が低下し、一括での読み取りが困難だったが、今回の新型タグは独自のアンテナ構造を採用し、こうした課題を解決している。
開発背景と市場ニーズの高まり
近年、情報セキュリティへの意識が高まり、重要書類の管理には高性能なRFID技術が求められている。従来、企業では文書管理において人的なリソースを費やしており、効率的な管理手法が急務となっていた。このようなニーズに応じて、株式会社サトーは市場調査を行い、独自のRFIDタグ開発に踏み切ることとなった。
新型RFIDタグの技術性能
開発されたRFIDタグは、厚さ0.2mmのクリアファイル100枚を重ねた状態でも、ハンディリーダーを用いてスムーズに読み取ることができる。この技術は、特にオフィスでの書類整理やファイリング作業において、極めて効率的な成果をもたらす。さらに、定置式リーダーにおいてもクリアファイル50枚を重ねた状態で全てを一括読み取りする性能を誇るため、様々なシーンで利用できる。
活用シーンの多様性
新型タグの応用範囲は広く、以下のようなシーンでの活用が想定される。
1.
オフィス文書の効率的な棚卸し・探索:契約書・設計図などの文書を効率よく管理可能。
2.
一括在庫管理の簡便化:棚や段ボールに保管されたファイルの在庫を一括で確認。
3.
書籍やカタログの管理:図書館やカタログの在庫管理の効率化を実現。
4.
離れた位置での読み取り:梱包箱や樹脂素材へのタグ貼付によって、遠くからでも簡単に情報を取得。
さらに、対応するプリンターも紹介されており、スキャントロニクス CL4-NX Plus(UHFモデル)を使用すれば、RFIDタグへのデータ書き込みも容易に行える。
今後の展開と期待される影響
RFIDタグの導入は、企業のみならず公共機関や教育機関の文書管理部門にも拡大する見込みである。業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、効率化や高度化を実現するこの新技術は、今後のビジネス環境において欠かせない存在となるだろう。株式会社サトーは、運用環境に応じた最適なRFIDタグの提案を進め、お客さまのニーズに応えるための取り組みをますます強化していく方針だ。
会社概要
株式会社サトーは1940年創業のグローバル企業であり、90を超える国と地域で展開する。本社は東京都港区に位置し、自動認識技術を駆使した製品開発を行っている。現在、バーコードやRFIDを利用した様々なソリューションを提供し、同社の技術は多岐にわたる業界で採用されている。
ますます注目されるRFID技術の今後の動向に期待が高まる中、株式会社サトーの取り組みから目が離せないだろう。