Nordic Semiconductor、新型Bluetooth LE SoC「nRF54LM20A」を発表
低消費電力ワイヤレス技術のリーダーとして知られるNordic Semiconductorが、nRF54Lシリーズの新たな高メモリ無線SoC「nRF54LM20A」をお披露目しました。この新製品は、特に多機能かつ高性能なBluetooth LE及びMatterアプリケーション向けに設計されています。
次世代の技術プラットフォーム
Nordicの革新的な22nm技術プラットフォームに基づくnRF54LM20Aは、無線通信の信頼性を高め、長寿命バッテリーの維持を助け、小型製品の設計を可能にします。Nordic Semiconductorでショートレンジ事業担当を務めるØyvind Strøm氏は、「nRF54LM20Aは、新たに豊富なメモリと性能を提供し、革新的なコネクテッド製品を開発者が構築できる機会を開く」と述べています。この製品発表は、nRF54Lシリーズ全体のポートフォリオを充実させる一環として位置づけられています。
nRF54LM20Aの主な仕様
nRF54LM20Aは、2MBの不揮発性メモリ(NVM)と512KBのRAMを備えています。マイクロコントローラユニット(MCU)には、128 MHzのArm Cortex-M33プロセッサとRISC-Vコプロセッサが搭載されており、高速USBや最大66GPIOを利用できます。さらに、このSoCは、Nordic第4世代の超低消費電力2.4 GHz無線を統合し、Bluetooth LE、Matter over Threadといった通信方式をサポートしています。これにより、nRF52シリーズに比べ、処理性能が2倍、処理効率が3倍、そして消費電力を最大50%削減できることが実現されています。
幅広いアプリケーションに最適
nRF54LM20Aは、コンシューマ製品、スマートホーム機器、商業用途、産業用途など、様々な市場に向けた先進的なワイヤレス製品に最適とされています。特に低レイテンシーの無線接続が求められるゲーミング周辺機器(HID)にも対応可能な設計となっており、Matter実装を含むスマートホーム機器にも充分なリソースを提供します。
開発者を支援するソフトウェアサポート
この新しいSoCは、NordicのnRF Connect SDKによるサポートが提供されており、IoTアプリケーションの開発を行うための使いやすいフレームワークを整えています。これにより、シンプルなユースケースから、機能満載の革新的な実装まで、シームレスな開発が可能になります。さらに、Zephyrプロジェクトとの統合によって、オープンソースの優位性と最適化されたソフトウェアが融合し、開発者はnRF54LM20Aの能力を最大限に引き出せるでしょう。
PMICとの統合により省電力を実現
NordicのパワーマネジメントIC(PMIC)ファミリーは、nRF54LシリーズSoCとシームレスに統合されるよう設計されており、これにより省電力設計を実現しつつ、システムの複雑さや部品表、基板面積の削減にも寄与します。
製品の提供時期
nRF54LM20Aは、開発用途向けに現在利用可能ですが、開発キットやサンプルはNordicの早期アクセスプログラムを通じて取得できます。量産開始は2026年の第1四半期を予定していますので、実際の製品化が待ち望まれます。
Nordic Semiconductorについて
1983年に設立されたNordic Semiconductorは、モノのインターネット(IoT)向けのワイヤレス通信技術に特化したノルウェーのファブレス半導体企業であり、アワードを受賞したBluetooth Low Energyソリューションのリーダーとしても知られています。Nordicの技術は現在、さまざまな分野で採用されており、IoTプラットフォームに基づくアイデアの実現を手助けしています。詳細な情報は、公式ウェブサイトを参照してください。