JR東日本の循環型社会
2024-07-04 19:30:22

JR東日本グループが目指す循環型社会:『UPCYCLING CIRCULAR』で廃棄物を資源に変える

JR東日本グループが目指す循環型社会:『UPCYCLING CIRCULAR』で廃棄物を資源に変える



JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革2027」で掲げる「ESG経営の実践」の一環として、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みやサーキュラーエコノミー(循環型経済)に取り組んでいます。

このたび、資源循環事業コンセプト『UPCYCLING CIRCULAR(アップサイクリング サーキュラー)』を策定し、グループの事業活動から生じる廃棄物を集約、新技術や外部連携を活用しながら再資源化し、グループ内で利活用することで、持続可能なサーキュラーエコノミーをさらに推進していくことを発表しました。

これまで取り組んできた食品リサイクル・バイオガス発電事業や使用済みプラスチックリサイクル事業の事業規模拡大、地方展開に加え、新たな資源循環・エネルギー分野の事業化を積極的に取り組み、今後10年間で売上100億円規模を目指します。

『UPCYCLING CIRCULAR』の具体的な取り組み事例



食品廃棄物を電力と肥料に変える「ダブルリサイクルループ」



JR東日本グループは2016年から食品リサイクル・バイオガス発電事業に参画しています。食品廃棄物を収集・運搬し、メタン発酵による処理と発電・肥料生産を行うことで、首都圏の駅ビルやエキナカから排出される食品廃棄物の約半数を処理しています。さらに、2022年からは仙台駅を中心とした主要施設から排出される食品廃棄物を処理する施設も稼働開始しました。

2024年4月からは、発電した環境にやさしい電力を排出元の駅ビルやエキナカなどに供給し、CO₂排出量削減に貢献する「電力リサイクルループ」の取り組みを開始しました。また、生産された肥料で生育した農作物の産直市での販売やJR東日本グループの飲食店などでの利用を推進する「農業リサイクルループ」の実現を目指しています。

東日本エリア初のビルイン型バイオガス設備



JR東日本が開発を進めている『TAKANAWA GATEWAY CITY』は、街全体でCO₂排出量「実質ゼロ」を実現するとともに、廃棄物を資源として再利用するサーキュラーエコノミーに取り組む環境先導型のサステナブルなまちづくりを目指しています。その一環として、街の商業施設の飲食店などから出る食品廃棄物を資源として再利用し、生成されたガスを燃料としてホテルの給湯に活用するバイオガス設備を設置します。

使用済みプラスチックリサイクル事業



使用済みプラスチックリサイクル事業を行うことを目的に、JR東日本、JR東日本環境アクセスとJ&T環境株式会社の3社共同で設立された『Jサーキュラーシステム』は、2024年1月より建設工事を開始、2025年4月の本格稼働を予定しています。

年間約6万tを受け入れ、プラスチックリサイクル工場としては、東日本最大の処理能力となる見込みです。鉄道事業のほか、駅ビル・エキナカ・ホテルなどJR東日本グループや、地元川崎市をはじめ近隣自治体や企業から排出される使用済みプラスチックを、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルによりJR東日本グループでの再利用を目指します。

資源循環・エネルギー事業の今後の拡大



JR東日本グループは、持続可能なサーキュラーエコノミーへの移行に向け、『UPCYCLING CIRCULAR』を新たに成長分野として位置付け、事業化を推進します。

具体的には、これまで取り組んできた食品リサイクル・バイオガス発電事業、使用済みプラスチックリサイクル事業の事業規模拡大および地方での事業展開について検討します。地方展開においては、地域資源の有効活用とJR東日本沿線の地域ニーズに着目します。

また、社会的ニーズが高まっている廃食油や繊維のほか、社会的課題になることが見込まれる太陽光パネルなどを新たな検討分野と位置付け、事業化を積極的に検討します。今後10年間で『UPCYCLING CIRCULAR』の取り組み10件以上、資源循環・エネルギー事業の売上100億円規模を目指します。

まとめ



JR東日本グループは、『UPCYCLING CIRCULAR』を通じて、持続可能な循環型社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進しています。廃棄物を資源に変えることで、環境負荷の低減だけでなく、地域社会の活性化にも貢献していくことが期待されます。


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