池田杏莉の個展『それぞれのかたりて / なき あのことへ』について
2025年12月6日から2026年1月4日の期間、浅草に位置するGALLERY ROOM・Aにて、アーティスト池田杏莉の新作個展『それぞれのかたりて / なき あのことへ』が開催されます。本展は、アート・コミュニケーションプラットフォーム、ArtStickerが主催し、池田の新たな試みが詰まった展示となります。
展覧会の基本情報
池田杏莉は、使用されなくなった物や身体の痕跡を通じて「喪失」の記憶と向き合う作品を制作してきました。個展のタイトルに含まれる「なき あのことへ」には、被災者が抱える悲しみや愛情が込められています。展覧会では、能登半島・輪島市で制作し続けているインスタレーション作品が展示され、震災によって失われた存在と時間を静かに語ります。
本展の作品はすべてArtStickerを通じて販売され、販売開始は12月6日午前8時から先着順となります。展示された作品は、耐え難い喪失を描きつつ、記憶の連鎖と私たちのつながりについて深く考察するものです。
作品のテーマと意義
池田は、日々失われるものたちを通じて、喪失とそれに伴う感情を「語る場」を形成しています。解体された住居や集会所から収集した日常の物の数々は、実際に被災者の声をインタビューから得た「喪失の記憶」をもとに構成されています。作品全体が、時間の経過とともに形骸化してしまう「喪失」に対する内省を促します。
展覧会は無休で行われ、観覧料は無料です。会場へのアクセスは都営浅草線の「浅草駅」から徒歩8分で、非常に通いやすいロケーションです。観客は、この展示を通じて、心の奥深くに秘めた感情に触れながら、彼女の作品に対峙することができるでしょう。
作家の思いと背景
池田杏莉は、自身の身体に残る手術痕を重要なテーマに据えており、幼少期に経験した困難を経て、喪失との向き合い方を模索しています。アートを通じて人々が抱える喪失感を共有し、共鳴し合う時間を生み出すことを目指しています。彼女の作品は、日常生活の中で見落としがちな人々の記憶に触れ、過去の出来事が現在にどう影響を与えるのかを問い直すものです。
池田の活動や作品に触れることで、観客一人ひとりが自身の記憶や感情と向き合い、新たな気づきを得られることを期待しています。彼女の個展に足を運び、ぜひその目で直接作品を体験していただきたいです。
アートの未来へ
GALLERY ROOM・Aは、アートを様々な形で体験できる場所として、宿泊施設「KAIKA 東京」に併設されています。このギャラリーはアートと宿泊を融合させ、新たな文化の発信地としても注目を集めています。今後も、池田杏莉のようなアーティストによる多様な展示が予定されており、地域住民や観光客にとって貴重なアート体験の場となるでしょう。
池田の新作個展『それぞれのかたりて / なき あのことへ』は、アートを通じて喪失とつながりを深く問いかける機会です。皆様のご来場をお待ちしております。