髄外性形質細胞腫に新たな光明、タービー®とテクベイリ®の併用療法申請
日本において、株式会社ヤンセンファーマ(Johnson & Johnsonの医療用医薬品部門)は、髄外性形質細胞腫を伴う再発または難治性の多発性骨髄腫に対する新たな治療法、タービー®(一般名:トアルクエタマブ)とテクベイリ®(一般名:テクリスタマブ)の併用療法の製造販売承認申請を行いました。この併用療法は、特に従来の治療法に抵抗性を示す患者さんにとって、重要な治療の選択肢となる可能性を秘めています。
この申請は、RedirecTT-1試験第II相に基づいており、同試験では78.9%という高い奏効率が示されています。さらに、患者さんの61%が1年無増悪生存率を達成し、効果が持続していることがわかりました。これにより、タービーとテクベイリの併用療法は、腫瘍の未解決のニーズを解消するための新たなアプローチとして期待されています。
髄外性形質細胞腫とは?
髄外性形質細胞腫(Extramedullary Disease、EMD)は、難治性の多発性骨髄腫の一形態であり、腫瘍細胞が骨髄外の組織に広がることで悪化します。この病型は非常に悪性であり、予後が悪いため、治療選択肢が限られています。通常の治療法では奏効率も40%未満であり、早期に再発することが多いのです。
併用療法のメカニズムと効果
タービーはGPRC5Dという新しい抗体を用いて、異常に発生した形質細胞と正常細胞の双方に結合し、免疫系を活性化させることで抗腫瘍効果を発揮します。一方、テクベイリはBCMAとCD3をターゲットとし、T細胞を介してがん細胞を攻撃します。これら二つの二重特異性抗体の併用は、がん治療における新たなアプローチとして注目されています。
RedirecTT-1試験の詳細
RedirecTT-1試験では、90名以上のEMDを有する患者さんが参加し、標準治療に抵抗性を示している患者さんに対して新しい治療法を評価しました。
この試験での成果には、78.9%という高い奏効率と共に、54.4%の患者が完全奏効以上を達成しました。追跡調査では、奏効した患者の61%が無増悪生存期間を達成し、主要評価項目もクリアしたと報告されています。
Johnson & Johnsonの取り組み
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、これまでに多発性骨髄腫に対する様々な治療法の開発に取り組んできました。同社のInnovative Medicine部門は、最新の科学技術を駆使し、患者に新たな治療法を提供することを目指しています。
まとめ
タービーとテクベイリの併用療法により、多発性骨髄腫患者さんに新しい治療の選択肢が加わる可能性があると期待されています。今後の承認が待たれますが、これまで治療法が限られていた患者さんに対して有効な解決策となることが期待されています。