革新的光トランシーバ
2026-03-10 14:03:03

光通信技術の革新 低消費電力で高性能を実現した新しい光トランシーバ

光通信技術の革新



技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)が、次世代の光通信技術に向けた新たな成果を発表しました。この研究所は、低消費電力で10テラビット/秒のデータ伝送を可能にする光トランシーバの開発に取り組んでいます。特に注目すべきは、光DAC変換器の開発と異種材料集積技術の活用によるマッハツェンダ変調器および受光器の実現です。

1. 背景と課題



モバイル通信や人工知能技術が急速に進化する中で、データ通信量は増加の一途を辿っています。2030年代には一台の光トランシーバが要求されるデータレートが10テラビット/秒を超えると予測されており、また電力効率の大幅な改善が求められています。しかし、これまでのシリコンフォトニクスやInP技術を用いたデバイスは、高速動作と低消費電力を両立する限界に直面しています。このため、異種材料集積光デバイスが期待される新たなアプローチの一つとして浮上しています。

2. 発表された技術



2.1 光DAC変換器



PETRAが開発した光DAC変換器は、デジタルコヒーレント伝送に向けたもので、DSP出力をアナログ信号に変換する際の消費電力を大幅に削減します。光DAC処理を光回路上で同時に実行することで、従来の電気DACと線形増幅器を省略可能となり、約50%の消費電力削減が実証されています。また、時間インターリーブ技術を取り入れ、100 Gbaud級の高速処理が実現されています。

2.2 異種材料集積多値変調器



新型の異種材料集積多値変調器は、シリコン導波路に高効率なInP系材料を使用しており、素子のサイズを従来の半分以下に削減することが可能です。この技術により、64 Gbaud 16QAM運用が実証されており、今後のデータ伝送の高速化と低消費電力化に寄与することが期待されます。

2.3 デジタルコヒーレント伝送向け受光器



最後に、デジタルコヒーレント伝送向けの受光器も新たに開発されました。この受光器は、Lバンドでの受光感度を従来のデバイスに比べて2倍以上に引き上げ、大容量の伝送に対する需要に応えます。具体的には、高速で高品質な100 Gbaud 16QAM信号の受信に成功し、光トランシーバの消費電力低減に寄与しています。

3. 今後の展望



今回の成果を基に、PETRAは2030年以降に大容量・低消費電力の光トランシーバ製品化を目指し、デバイス製造技術やトランシーバの実装技術の開発を進めていきます。また、通信アプリケーションへの展開も視野に入れています。

これらの技術革新は、今後の通信業界において重要な役割を果たすものと期待されています。加えて、今回の研究はNEDOの委託に基づくものであり、さらなる技術の進化が望まれます。


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会社情報

会社名
技術研究組合光電子融合基盤技術研究所
住所
東京都文京区関口1-20-10住友江戸川橋駅前ビル7階
電話番号
03-5225-6434

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