水俣病に関する特別セミナー開催のお知らせ
2025年に、特別セミナー「21世紀において『水俣病にたいする企業の責任』を読む」が熊本大学で開催されます。このセミナーは、長年にわたって水俣病の研究と解明に取り組んできた「水俣病研究会」によるものです。特に、1970年に初版が刊行された報告書『水俣病にたいする企業の責任―チッソの不法行為』の重要性を再考するとともに、企業が果たすべき責任のあり方について議論を行います。
セミナーの背景
水俣病は、日本の工業化に伴い起こった公害病で、その原因は化学工場「チッソ」による環境汚染に起因しています。この問題は、企業が環境や公衆の健康にどのように責任を持つべきかという問いを私たちに投げかけています。水俣病研究会は、この歴史的事件を通じて企業の倫理と責任についての見解を深めてきました。
今回のセミナーでは、熊本学園大学水俣学研究センターが増補・新装版として刊行する報告書に新たに書かれた解題をもとに、有馬澄雄氏(同会の代表)が講演を行います。また、この報告書の執筆に携わった熊本大学名誉教授の富樫貞夫氏と故丸山定巳氏の経緯にも触れ、学際的視点から水俣病に関する議論を掘り下げる予定です。
特別セミナーの詳細
- - 日時: 令和7年2月16日(日)13:30~17:00(13:00より受付開始)
- - 場所: 熊本大学文法学部本館1階くまトヨ講義室(熊本市中央区黒髪2丁目40番1号)
- - 対象: 一般の方(興味がある方であればどなたでも参加可能)
- - 参加費: 無料
- - 予約: 不要
講演と意見交換
セミナーでは、初版本の執筆者の一人である山下善寛氏も登壇し、パネルディスカッションが行われます。コメンテーターには福元満治氏と奥羽香織氏をお迎えし、参加者の皆様とともに、21世紀における本書の意味と企業の責任についての意見交換の場を設けます。
このセミナーは、単なる知識の共有の場に留まらず、皆様と共に現代社会の倫理的課題に真摯に向き合う貴重な機会となることを目指しています。参加を希望される方々のご参加をお待ちしております。
この特別セミナーを通じて、私たち一人一人が水俣病から学べること、そして企業責任の重要性を改めて認識することができれば幸いです。