車載用1セルバッテリー保護ICの登場でEV界が変わる！

車載用バッテリー保護IC「S-19161A/Bシリーズ」の新発売

エイブリック株式会社（ABLIC）は、車載用リチウムイオンバッテリーの保護ICとして、世界では初めてとなる「S-19161A/Bシリーズ」の販売を開始しました。これは、電気自動車（EV）や車載電装部品の発展に伴い、求められるバックアップ電源のニーズに応える製品です。

カーボンニュートラルとEV普及の背景

昨今のカーボンニュートラルの実現に向けた動きや、EVの普及が進む中、車載用電装品の安全性を確保するためには、電源供給が停止してもシステムが動作し続ける必要があります。特に緊急通報システム（e-Call）やテレマティクスコントロールユニット（TCU）など、事故時に機能するシステムにおいては、このバックアップ電源が不可欠です。また、自動車の効率を高めるために、軽量化が求められ、新しいバッテリー技術が必要とされています。

S-19161A/Bシリーズの特長

新たに登場した「S-19161A/Bシリーズ」は、以下のような特徴を持っています。

1. 広範囲な温度対応
- -40℃から125℃の高温での動作が可能で、従来のIC製品が85℃までの動作しか対応していなかったことを考えれば大きな進歩です。この温度耐性は、高温環境でも安全性を確保するために必要です。

2. 3段階の放電過電流保護
- 異常時における放電過電流に対する保護機能を3段階にわたり提供します。これにより、システムの安全性を大幅に向上させることができます。

3. 高精度な充電監視
- 過充電検出電圧の精度が±15mVという業界トップクラスを誇るため、安全性を高めると同時にバッテリー性能を最大限に引き出せます。

これにより、「S-19161A/Bシリーズ」は、リチウムイオンバッテリーの保護回路として非常に優れた選択肢となります。

環境への貢献

エイブリックはこの製品を環境に優しい製品として位置づけ、ミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定されています。これにより、企業の環境貢献にも寄与することが期待されます。また、PPAP（生産部品承認プロセス）にも対応しており、自動車業界の厳しい品質基準を満たすことが可能です。

今後の展望

ABLICは、リチウムイオンバッテリー保護ICにおける技術力を活かし、さらなる高精度化や高機能化を目指しています。顧客のニーズに応えるべく、今後も多様なアプリケーションへの対応製品の展開を図っていく予定です。

「S-19161A/Bシリーズ」は車載用保護ICの中に新たな選択肢を提供し、EV市場の発展とともに注目される製品となるでしょう。