ソニー銀行とCauchyEが進める独自ブロックチェーン実証実験の全貌

はじめに

近年、金融業界ではブロックチェーン技術の導入が加速しており、特にWeb3経済圏の拡大に伴い、独自のブロックチェーンを活用した金融インフラの構築が求められています。そんな中、ソニー銀行とシンガポールを拠点とするCauchyE Asia PTE. LTD.が手を組み、次世代の金融サービスを目指す実証実験を開始することが発表されました。この実証実験は、金融機関におけるブロックチェーンの活用方法を模索するもので、特に規制に対応した形での運営が重要視されています。

実証実験の目的

CauchyEが開発した「Sunrise」というブロックチェーンを用い、ソニー銀行と共に進めるこの実証実験の主な目的は、法規制への対応を前提にした新たなチェーンアーキテクチャの共創です。この中で、AML（マネーロンダリング）やCFT（テロ資金対策）、KYC（顧客確認）といった法的要件を満たすための技術的および法的課題を洗い出し、解決策を見出していくことが求められます。また、ソニーグループが提供するブロックチェーンである「Soneium」との相互運用性も精査される予定です。

具体的なテーマ

本実証実験にはいくつかの重要なテーマが設定されています。まず、金融機関に特有なブロックチェーン活用に関する技術的な問題点を洗い出し、独自のチェーンを活用したステーブルコインの利活用も検討されています。さらに、Sunriseの流動性を活用し、顧客へのDeFi（分散型金融）サービスを提供するための論点についても掘り下げる予定です。このように、幅広い観点から新しい金融ソリューションの探求が続けられています。

背景

世界的なWeb3経済圏の拡大を背景に、金融機関は新たな技術に対する適応を求められています。特に、AML/CFTやKYCなどの法規制に対応するための技術的独立性やガバナンス性を備えたブロックチェーン設計が重要です。CauchyEは、これらの課題を解決するための金融実務で活用できるブロックチェーン基盤を模索していきます。さらに、ソニー銀行が展開している「Sony Bank CONNECT」との連携を見据え、クリエイターやファン層が集まる経済圏の拡大にも貢献しようとしています。

CauchyEとSunriseとは

CauchyEは、独自のL1ブロックチェーン「Sunrise」を開発しており、その特異性としてDA LayerとLiquidity Hubを組み合わせた「Interliquid Networks」を実現しています。このプラットフォームでは、アプリごとに最適化された専用チェーンを構築できることから、開発コストを大幅に抑えることが可能です。Sunriseは、これまでに300,000人以上のユーザーに利用されるなど、世界的にも注目を集めています。