三菱食品とPALTACの物流協力が描く持続可能な未来とは？

三菱食品とPALTACの新たな物流協力

三菱食品株式会社と株式会社PALTACは、2025年1月21日に持続可能な物流構築に向けた基本合意を締結しました。この連携の目的は、両社の物流事業の拡大や効率的な運営を実現し、国内物流業界の持続可能性を高めることです。

目的と背景

三菱食品は食品業界で、PALTACは日用品分野でそれぞれリーディングカンパニーとして名を馳せています。両者は、ドラッグストアやコンビニ、スーパーマーケットなど、同じ販売先に対して別々の物流網を形成してきました。しかし、この状況は効率性を欠いているだけでなく、物流業界全体が直面している労働人口の減少や2024年問題などにも影響を及ぼすことになります。

こうした課題を受け、両社は業界を超えて協力し合うことで、新たな解決策を見つける必要があると感じたのです。互いに持つ物流資源やノウハウを最大限に活用し、効率的な物流体制の構築を目指します。

協業テーマの詳細

新たな基本合意に基づき、両社は次の4つのテーマで協議を進めることにしています。

1. 既存物流拠点の有効活用
空きキャパシティを活用した既存拠点の効率化。

2. 共同配送の推進
配送車両の空積みや空車を利用した共同配送の実施。

3. 共同物流センターの検討
新たなサプライチェーンモデルや倉庫管理システムの開発。

4. 物流DXの共同研究
データ連携を強化し、マテハン設備の共同研究を視野に入れています。

この協業により、従来のモデルでは実現できなかった物流の効率化を目指し、両社が運営する376拠点と23拠点を活用します。これにより、個別の企業に依存せず、業界全体の発展にも寄与することを狙います。

持続可能な未来に向けて

三菱食品は、ビジネスを通じて持続可能な社会に貢献することを目指しています。2024年5月には新たな経営ビジョン「MS Vision 2030」を公表するとともに、デジタル技術を活用したサプライチェーン全体の効率化にも取り組む方針です。今回のPALTACとの協力は、同ビジョンにおける成長戦略の一環であり、ロジスティクスを新たな事業成長の原動力に位置づけています。

最終的には、食の卸業務にとどまらない新しい価値の創造を目指し、両社共同で未来の物流を切り拓いていくとしています。