日本医師会松本会長が財政審に反論
日本医師会の松本吉郎会長が、11月12日に公式YouTubeチャンネルで公開した記者会見の動画が注目を集めています。この動画は、前日に開催された財務省財政制度等審議会(以下、財政審)の議論を受けての反論内容です。松本会長は、医療機関における分断を招く財政審の材料を厳しく批判し、医療の重要性と必要不可欠性を強調しました。
財政審の問題点
会見の中で松本会長は、財政審の資料が診療所の適正化を目的とする物語に基づいており、意図的に医療界を分断させるような姿勢を示しているとし、そのような議論は受け入れられないと述べました。彼は、病院と診療所が地域医療を一体となって支えていることを強調し、医療の現状がどれほど重要かを訴えました。
また、松本会長は「大きなリスクは共助中心、小さなリスクは自助中心」といった民間保険の概念が一部に見受けられることに対する強い失望を表明し、医療は現金給付ではなく、現物給付を通じて正しく提供されるべきとの考えを示しました。公的な保険制度は、適切で必要な医療を保障するものであると強調しました。
具体的な指摘
更に、財政審の資料内で取り上げられた主な課題についても言及しました。「病院・診療所の収益に対する費用構造」「2024年度赤字診療所の分析」「医療提供の効率化」などの問題点を具体的に挙げました。特に、診療所の利益率が直近の決算月になるほど低下しており、今後さらにその傾向が悪化する見通しであることを指摘しました。
松本会長は、「診療所だけを取り上げて財源を確保することは到底許容できない」と強い口調で述べ、これにより閉院に追い込まれる医療機関が増える可能性があると警鐘を鳴らしました。地域医療の崩壊を防ぐためには、財源を見直した上で安定した改定水準を確保する必要性を強調しました。
動画と資料のチェック
日本医師会では、この日の会見の資料も公式ウェブサイトに掲載しています。興味のある方は、ぜひ映像と共にご覧ください。これにより、より多くの人々が現在の医療制度に対する理解を深め、考えるきっかけになることでしょう。自らの健康を守るためにも、医療制度の理解は欠かせません。
会見資料や動画は、以下のリンクからアクセスできます。
最後に
この度の松本会長の発言は、医療界が直面している問題に対する重要な意見表明となりました。地域医療の存続と、我々一人一人の健康を守るため、皆が関心を持ち、考えを深めることが求められています。日本医師会は、今後も国民のために活動を続けていくことでしょう。