医療機関向けサイバーレジリエンス・パッケージが登場
2025年11月より、株式会社サイリーグホールディングスとS&J株式会社が共同開発した「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」が医療機関向けにスタートします。この新サービスは、日々進化するサイバー攻撃から患者の安全を守り、診療の継続を保証するための仕組みを提供します。
背景
近年、医療機関を狙ったサイバー攻撃が急増しており、電子カルテの停止や診療中断が深刻な問題として浮上しています。特に、ランサムウェアなどの攻撃は、数か月にわたり診療を困難にする事例も報告されています。厚生労働省は近年、医療機関に対しBCP(事業継続計画)の策定や外部連携体制の強化を促していますが、実際にはその実効性が問われています。実に、病院の約6割がBCPを策定しているにも関わらず、訓練を実施しているのはわずか4割未満という状態です。
課題の整理
医療機関が抱える課題は多岐にわたります。まず、BCPの策定は進んでいても実際の応用には課題が残っています。また、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の設置率が約42%にとどまっており、専門の人材が不足している現状も見逃せません。さらに、医療IoT機器の増加や古いOSの利用による脆弱性も深刻で、既存のバックアップシステムもランサムウェアの影響を受け復旧が困難になるケースが増えています。
イノベーションの内容
新しい「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」では、上述した多くの問題に対応するため、医療機関がサイバー攻撃やシステム障害の影響を最小限に抑えつつ、診療を継続できる体制を構築します。このパッケージは、事前契約型のインシデント対応ソリューションで、平時と有事でのサポートが充実しています。
平時サポート
- - セキュリティカルテの作成と更新
- - 年4回の状況確認と助言提供
- - 月次での自動脆弱性診断とレポート作成
- - 日次のオンラインバックアップサービス
有事の対応
- - インシデント発生時の迅速な初動対応支援
- - 外部専門家による復旧プロセスの支援
提供価格
このサービスは、エントリープランが265万円、スタンダードプランが365万円と設定されています。これは、医療機関にとって最小限の投資でありながら、患者の安全を守るための重要な手段となります。
未来への展望
サイリーグホールディングスは、医療機関をはじめ、日本の社会インフラを支える組織に向けて、さらなるサイバーレジリエンスの強化に努めていきます。パートナー企業との共同作業を通じて、日本のサイバーセキュリティレベルの向上を図り、安心・安全な医療環境の実現を目指します。これにより、医療サービスの質を一層向上させていく方針です。
結論
「CyLeagueサイバーレジリエンス・パッケージ」は、医療機関が直面する課題に真正面から取り組む画期的なサービスです。これからの安全な医療環境を構築するために、医療機関はこのパッケージを活用し、サイバー攻撃に強い体制を作り上げることが求められています。今後の展開にも期待が寄せられています。