建設業界の未来を切り開くオンラインセミナーの取り組み
近年、日本の建設業界は深刻な人手不足に直面しており、これを解決するために国土交通省は2016年から「i-Construction」を進めています。この取り組みは、情報通信技術(ICT)を活用することで建設現場の生産性を向上させることを目的としています。さらに2024年には「i-Construction2.0」を策定し、業界の生産性向上を加速しています。
一方で、建設業界の中堅や中小企業においてはICT導入の壁が高く、「どのように導入を始めれば良いのか」「コストを抑えつつ効果を知りたい」といった悩みが多く寄せられています。これらの課題を解決するために、三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社はオンラインセミナーを開催しました。
セミナーの概要
このオンラインセミナーでは、日立建機株式会社が登壇し、ICT施工ソリューションについての具体的な導入例が紹介されました。月日や会場の詳細については以下の通りです。
- - テーマ: ~「i-Construction2.0」の推進へ~日立建機のICT施工ソリューションの取り組み
- - 講演者: 日立建機株式会社 コンストラクションビジネスユニット 施工ソリューション開発部長 田中正道氏
- - 参加費: 無料
- - 開催日: 2024年12月
ICT導入事例の紹介
セミナーでは、ICT導入の具体例として「Solution Linkage Point Cloud」と「Solution Linkage Compactor」が紹介されました。これらのソリューションは、建設現場における生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
1. Solution Linkage Point Cloud
まず、岐阜県白川町の施工現場において、これまで10時間を要していた測量が1時間に短縮されました。これは、ドローンを用いて撮影したデータをクラウド環境で3Dに変換するソリューションです。従来の方法では、複数人の作業が必要でしたが、これにより作業者が1人で済むようになり、作業時間が大幅に削減されました。
2. Solution Linkage Compactor
次に、長野県駒ケ根市の現場では転圧作業が従来の430時間から65時間に大幅に短縮されました。このソリューションは、リアルタイムで転圧状況を可視化し、作業の効率化を図ることができます。また、複数の作業を同時にICT化することにより、より高い生産性を実現しています。
未来の展望
日立建機は、生産性向上の目標として「2023年度比で2040年度までに建設現場の省人化を3割」を掲げています。また、2024年5月には新たなICT施工ソリューション「Solution Linkage MG」が発売され、ユーザーはショベルの動作をモニターで確認できるようになるなど、さらなる技術革新が期待されています。
このような取り組みが進むことで、建設業界全体の持続可能な発展が促進されることが期待されており、三井住友トラスト・パナソニックファイナンスは今後も多くの企業と連携し、最適なソリューションを提供していく方針です。オンラインセミナーを通して、より多くの企業がICT導入のメリットを理解し、実践することができることを願っています。