一建設が提案する新たな広告手法、「劇場版ハジメとケンとセツ」
一建設株式会社は、2025年12月5日から全国のイオンシネマで『劇場版ハジメとケンとセツ -時空を越えし絆-』をシネアドとして展開することを発表しました。この取り組みは、広告の枠を超えた映像体験を観客に提供し、ブランド認知度の向上を目指すものです。
新感覚のシネアド体験
今回のシネアドは、一建設が2022年から展開しているWeb CMシリーズ『ハジメとケンとセツ』の映画版です。系列のアニメーションを手掛けた高橋陽一先生の監修のもと、戸田邦和先生による作画が実現しました。物語は、「ハジメ」「ケン」「セツ」から発せられる三つのセリフを基に構成され、そのシンプルさが逆に観客の記憶に強く刻まれる工夫がされています。
特に注目すべき点は、映画館という空間そのものをブランド体験として活用した点です。定型化された広告は観客の印象に残りにくいですが、今回のシネアドは映画の形式を取り入れることで、観る者に新しい広告体験を提供します。エンドロールには全クレジットを「ハジメ」「ケン」「セツ」で埋め尽くし、ユーモアを交えながらも強力なメッセージを発信しています。
映画館での魅力的な演出
シネアドの94秒の映像は、“一建設PICTURES”という架空の配給会社ロゴで始まり、まるで本当の映画を観るかのような体験を作り出します。映像に紛れ込むようなポスターや配布物も、その魅力を高める要素です。ポスターは公開日やクレジットのデザインを忠実に再現した映画風。観客はその細部に気づくと、思わずクスっと笑わされる仕掛けも施されています。
さらに、興味喚起を目的としたチラシや大型パネルも設置され、観客がシネアドに興味を持つことを促します。特設サイトでもこの新しい広告体験についての詳細が紹介されており、興味を持った人々を誘引しています。
映画のまち・調布での特別な体験
シネアドはイオンシネマ シアタス調布で行われ、調布市は「東洋のハリウッド」として知られる映画のまちです。この地では「映画のまち調布シネマフェスティバル」など、映画をテーマにしたイベントも多数開催されています。観客はシネアドだけでなく、この地の豊かな映画文化も体験することができます。
また、上映は12月5日(金)から12月18日(木)まで実施され、全国のイオンシネマ98館で展開予定です。ユナイテッド・シネマでも30秒の短編版シネアドが併せて上映されるなど、さまざまな形で観客に届けられることになっています。
新たな広告のスタイル
一建設は、「観る広告」から「体験する広告」へというテーマのもと、シネアドを進化させています。これは単に製品を浸透させるだけでなく、広告自体を新しいエンターテインメントとして提供することで、「もう一度観たい」と思わせる商品の魅力を引き出す試みです。今回はその一歩を踏み出し、広告界に新しい風を吹き込むことを目指しています。この挑戦がどのように評価されるか、今後の展開が待たれます。