慶應義塾大学病院が「Teladoc HEALTH」を活用した救急医療研究を開始

遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」の導入

近年、医療技術の進化にともない、救急科における診療の質は向上してきています。しかし、特に心停止や重傷外傷といったケースでは、迅速な対応が求められます。東京都新宿区に位置する慶應義塾大学病院では、ウィーメックス株式会社が提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を活用した観察研究が始まりました。この研究の目的は、遠隔医療による診療方針決定の迅速化や、臨床成績の向上にあります。

研究の目的と内容

本研究では、病院到着前から専門医がリアルタイムでコンサルテーションを行う体制を整え、18歳以上の搬送患者を対象に、救急外来での診療をサポートします。最大50例の症例を登録し、医療の質向上や心理的安全性の評価も行いながら、患者の状態を迅速に把握し、方針決定にかかる時間や成果との関連を分析します。

「Shared Experience」と呼ばれるこの遠隔コンサルテーション体制は、医師が患者に関する情報を遠隔地から把握し、現場の医療チームと情報を共有する仕組みです。これにより、従来の電話相談では難しい高精細な映像による情報共有が可能となり、方針の迅速化が期待されます。現場の医師と専門医との連携を強化することで、心理的な負担も軽減され、診療の一貫性が確保されることが見込まれます。

専門医の育成と地域医療への影響

しかし、全国的に見ても高度医療を必要とする症例に対応できる専門医の育成には限界があり、均一な医療提供は難しい課題です。救急医療の現場では、特殊な技術や治療が生存率を大きく左右する事実もあります。ウィーメックスの「Teladoc HEALTH」は、これらの課題に対して新たな解決策を提供することを目指しています。

慶應義塾大学医学部救急医学の准教授、本間康一郎氏は『高度で即応性が求められる救急の現場において、「Shared Experience」は未来の標準となりうると考えています。患者さんの命を守る最前線に、技術を生かした新しいチーム医療の形を提案していきたい』と述べています。

「Teladoc HEALTH」とは

「Teladoc HEALTH」は、専門医과 금융市場とつなげるリアルタイム遠隔医療システムです。医療機器と接続し、患者の状態を短時間で把握できる機能を持っています。遠隔地にいる専門医主導で操作が行え、医療の現場における情報収集の質が格段に向上します。

慶應義塾大学病院でのこの研究は、医療の均てん化を目指すウィーメックスの取り組みの一環です。地域や医療資源に左右されない質の高い医療を実現するため、今後も技術の活用が期待されます。