キーサイト、14ビット高精度オシロスコープを発表
キーサイト・テクノロジーは、2024年の9月11日に「InfiniiVision HD3シリーズ オシロスコープ」を発表しました。この新しいオシロスコープは、14ビットのアナログデジタルコンバータ(ADコンバータ)を搭載しており、他の汎用オシロスコープと比べて、信号分解能は4倍、ノイズ・フロアは半分に抑えられています。
このHD3シリーズは、特定用途向けのカスタム集積回路(ASIC)とロングメモリ・アーキテクチャを用いており、より高速で高精度な測定が可能です。これにより、設計のデバッグ時に微細な信号の異常を迅速に検出し、エンジニアが設計にかかる時間を短縮できることを目指しています。
ニーズの変化と新たな課題
現在、デバイスやコンポーネントの設計は複雑化し、扱われる信号も小型化しています。そのため、エンジニアは設計上の欠陥やハードウェアの不具合を示す微細な信号の異常を見逃さないために、複数の信号を一画面で確認しなければなりません。このような背景から、発生頻度の低い微細な信号を測定できる低ノイズオシロスコープの需要が高まっています。
新たに登場したKeysight HD3シリーズのオシロスコープは、14ビットADコンバータを搭載し、50µVRMSの低ノイズ・フロアを実現。これにより、デジタルデザイナーやエンジニアに優れた垂直分解能を提供し、微細な信号の異常を確実に検出できるよう支援します。200 MHzから1 GHzの帯域幅をカバーしており、デバッグ作業の効率を高め、市場投入までのスピードを加速します。
具体的な機能と利点
- - 比類なき精度: 14ビットのADコンバータによる高い分解能と、130万波形/秒の更新レートにより、迅速かつ正確なデバッグが可能です。
- - 最新技術の搭載: カスタムASICを使い、一般的なテスト条件下で高いサンプリングレートとメモリを実現。これにより、妥協のない波形更新レートを提供します。
- - ロングメモリ: 長時間のデータキャプチャや高速なサンプリングが可能になり、より質の高い測定と分析結果が得られます。
- - 新しいインタフェース: 全チャネルの高分解能表示を可能にし、カスタム測定しきい値設定など、多彩な機能を備えた新しいユーザーインタフェースが登場しました。
- - 完全なテスト自動化: フォルトハンター機能により、一般的なデバッグでエラーを自動検出し、豊富なシリアルバスプロトコルとアプリケーションソフトウェアを駆使して測定を自動化します。
さらに、ソフトウェアライセンスにより、帯域幅やメモリの即時アップグレードも可能となっています。これにより、エンジニアは現在のニーズに応じたオプションを購入し、将来的な測定ニーズにも柔軟に対応できます。
キーサイトのビジョン
キーサイト・テクノロジーのデジタルフォトニクスセンターオブエクセレンスのバイスプレジデントであるロバート・サポナス氏は、「エンジニアが必要とする迅速かつ高精度な測定に応えるために、InfiniiVision HD3シリーズを一から開発しました」と述べています。この新しいオシロスコープは、製品開発のスピードをあげ、微細信号の異常を発見する手助けをすることで、より短い時間での製品化を提案しています。
ぜひ、新しいInfiniiVision HD3シリーズオシロスコープを通じて、設計とデバッグの未来を体験してみてはいかがでしょうか。