ジェイテクト、研削盤の省エネ技術で発明賞受賞！静圧軸受の革新がもたらすもの

株式会社ジェイテクトは、公益社団法人発明協会主催の令和6年度全国発明表彰において発明賞を受賞しました。受賞対象となったのは、研削盤の砥石軸に使用される「低動力静圧軸受」の特許技術です。

研削盤の性能向上と省エネ化を実現する画期的な技術

研削盤は、回転する砥石で加工物を研削する工作機械です。高精度な加工を実現するためには、砥石軸を安定して回転させることが重要であり、軸受はその役割を担う重要な部品です。

ジェイテクトが開発した「低動力静圧軸受」は、圧力をかけた潤滑油の力で砥石軸を支持する静圧軸受の性能向上に成功しました。従来の静圧軸受では、高速回転時に潤滑油の流れによる動力損失が発生していましたが、本技術では、軸受内部の潤滑油の流れを最適化することで、この動力損失を約20%削減することに成功しました。

省エネ性能と高精度加工を両立

静圧軸受は、転がり軸受などに比べて回転精度や振動減衰性に優れ、金属接触部がないため長寿命という特徴があります。ジェイテクトの「低動力静圧軸受」は、これらの利点を維持したまま、省エネ性能を大幅に向上させた画期的な技術です。

技術開発の背景と今後の展望

近年、生産性向上のため研削盤の砥石回転速度が高速化しており、それに伴い静圧軸受の動力損失低減が課題となっていました。ジェイテクトでは、流体解析などを実施し、動力損失発生の要因を解明。その結果に基づき、軸受内部の潤滑油の流れを最適化することで、低動力化を実現しました。

本技術は、研削盤の省エネ化だけでなく、熱による部品の変位量抑制や冷却装置の小型化にも貢献し、機械フロアスペースの削減にもつながります。ジェイテクトは、今後も静圧軸受技術のさらなる進化を目指し、工作機械の性能向上に貢献していくとしています。