2025年度グッドデザイン賞受賞！ＮＸ武道館の魅力に迫る

ＮＸ武道館が2025年度グッドデザイン賞を受賞

東京都板橋区に新しく誕生した「ＮＸ武道館」が、公益財団法人日本デザイン振興会の主催する2025年度グッドデザイン賞に輝きました。この受賞は、同施設が持つ競技特性を生かした魅力的な空間デザインと、環境への配慮が評価された結果です。

【道場とそのデザイン】

ＮＸ武道館は、剣道、柔道、相撲の各道場を備えており、スポーツ愛好者に向けた多機能な施設として設計されています。この素晴らしい建築は、三井住友建設株式会社によって設計・施工され、建築家・広谷純弘氏と構造家・梅沢良三氏がそのデザインに携わりました。

施設の外観は、全体の調和を象徴する「We」の理念を基にしたデザインで、日本の伝統的な矢筈模様が施されたコンクリート打放しの壁面が印象的です。そして、企業メッセージ「We Find the Way」が巧みに表現されています。

【内部空間の魅力】

内部は木材を使った温もりのある空間が特徴で、各道場にはそれぞれ異なる意匠が施されています。剣道場は木トラス構造の大屋根を持ち、柔道場はその精神性に合ったデザインとなっています。相撲場では、格天井を採用することで競技の伝統を感じさせる空間が創出されています。

【環境への配慮】

この武道館は、環境への配慮を強く意識して設計されています。構造は鉄筋コンクリート造、鉄骨造、一部木造で耐震性を確保し、自然光を取り入れるトップライトや、内装に使われる国産木材、間伐材は、資源の有効活用に寄与しています。これにより、日中の照明使用が抑えられ、環境負荷の軽減も実現しています。

【地域とのつながり】

ＮＸ武道館は、地域との共生を重視しており、平常時には部活動や競技大会の拠点として利用される一方、災害時には避難所として機能します。自家発電機や蓄電池、災害備蓄品を備えており、地域の安全にも寄与する構造です。また、2023年4月には板橋区の小中学生を対象にした剣道教室を開催し、地域住民や若者たちの交流の場としても活用が進められています。

【感想と今後の展開】

ＮＸ武道館の受賞は、スポーツ振興や地域貢献、持続可能な社会の実現に向けた取り組みのさらなる加速を示しています。全体的に緻密にデザインされたこの建築は、高い評価を受けているだけでなく、多くの人々の心と絆を深める場所として機能しています。2024年9月の竣工を待ち望む中で、今後ますます地域に貢献していくことでしょう。ole