京都のアートシーンを牽引する新たな体制
2025年度より、ICA京都が新しい体制でその活動をスタートさせることが発表されました。新たに所長に就任するのは、森美術館の館長であり、京都芸術大学の教授でもある片岡真実氏です。これまでの所長、浅田彰氏に代わっての就任となる片岡氏は、アートの実践がグローバルに広がる中でも、伝統文化が深く根付いた京都から、日本と世界の現代芸術の動向を結びつけることを目指しています。
新体制の概要
片岡真実氏の就任に合わせ、ICA京都は新たなディレクター陣を迎えます。プログラム・ディレクターには堤拓也氏、特別プロジェクト担当ディレクターには金澤韻氏、エディトリアル・ディレクターには桐惇史氏が就任し、チーム全体を刷新します。この新体制は、ICA京都のミッションを更に強化し、国際的なアートシーンとのつながりを深めることを狙いとしています。
片岡真実からのメッセージ
新所長の片岡氏は、「ICA京都は、アジア地域間でのアートシーンの結びつきに特に力を入れ、相互理解を深める活動を行っていきたい」と述べています。具体的には、大学院教育におけるグローバル・スタディーズとアジア・スタディーズの創設を通じて、次世代の人材育成に貢献する方針を示しました。これらの取り組みは、国際シンポジウムやアジア美術系大学学生会議、そしてウェブマガジン『ICA KYOTO JOURNAL』の創刊を通して展開されます。
新たな活動の展望
新しいディレクター陣による活動は多岐にわたります。まず、国際シンポジウムが開催され、現代アートに関する国際的な対話を促進します。特に、アジアの複数の都市を結ぶ取り組みが進められ、アートの未来に関する深い議論が展開される見込みです。また、アジア美術系大学の学生が集まる「KYOTO Gathering for Asian Art Students」では、地域文化と美術の相互理解を図るためのカンファレンスも予定されており、次世代のアーティストとキュレーターのネットワーク形成が目指されます。
トークセッションのご案内
4月3日には、新たなディレクター陣が登壇するトークセッション「リ・ポジショニング:京都、アジア、世界〜現代アートのエコシステムを考える」が開催されます。参加は無料で、事前予約不要ですが、定員は50名と限られていますので、ぜひお早めにお越しください。トークの後には交流会も用意されており、ディレクターや参加者とのフランクなコミュニケーションの場ともなります。
ICA京都の未来
ICA京都は、1946年にロンドンで創設されたICAの精神を受け継ぎ、現代アートの創造と研究を促進するために設立された文化的なプラットフォームです。現在、アートシーンが多様化し、目まぐるしい変化を見せている中で、ICA京都はその中心的役割を果たすことを目指しています。伝統と革新が交錯する京都において、世界のアートと結びつく新たな価値創造に向けた挑戦が続いています。今後のICA京都の活動に、ぜひご注目ください。