全国コウノトリサミットが兵庫県豊岡市で開催
2025年11月22日、兵庫県豊岡市の出石永楽館にて「全国コウノトリサミット」が開催され、持続可能な農業と地域社会の発展を目指す共同宣言が採択されました。このサミットには、コウノトリと共生するための新たな取り組みを進めるために、全国から220人以上が集まりました。
岩風の20年を振り返る特別なイベント
このサミットは、かつて国内で絶滅の危機に瀕していた国の天然記念物であるコウノトリの野生放鳥が豊岡市で始まってから20年を迎える節目のイベントです。特に、持続可能な食と農業を推進するコンソーシアム「みどりGXラボ」の特別企画として実施され、コウノトリと人間が共に生きる方法を模索しました。
最初の基調報告では、日本コウノトリの会の佐竹節夫代表と、JAたじまの山下正明専務が「いのち育む田んぼの20年」と題し、コウノトリと共生するための取り組み「コウノトリ育む農法」の成果を振り返りました。この農法は、農薬の使用を抑制し、冬季も田んぼに水を張ることで、コウノトリを育む環境を作り出しています。山下専務は「生産者と消費者が仲間となり、次世代に環境を引き継ぐことが重要である」と訴えました。
地域の交流と課題の共有
続いて行われたパネルディスカッション「翼がつなぐ持続可能な農業」では、豊岡市だけでなく、栃木県小山市と福井県越前市からのパネリストが登壇しました。コウノトリとの共生を図る中での米のブランド化や学校給食への提供といった取り組みが紹介されましたが、同時に気候変動の影響による病害虫の発生や生産者の高齢化といった課題も挙げられました。これらは、地域全体で持続可能な農業を育むために考慮しなければならない重要な問題です。
参加者間での意見交換も活発で、他地域からの参加者が質問を投げかけるなど、熱気あふれる雰囲気が漂いました。コウノトリが飛来する茨城県水戸市や京都府亀岡市からの参加者もおり、他地域の取り組みも共有されました。
未来へ向けた共同宣言の採択
サミットの最後では、参加者全員による共同宣言「翼がつなぐ持続可能な農業」が採択されました。この宣言では、環境に配慮した農業の推進、地域間連携の強化、次世代人材の育成など、具体的な目標が盛り込まれました。
これからも全国各地でコウノトリと共生できる社会をつくるための取り組みが続けられ、持続可能な農業実現に向けて新しい一歩が踏み出されることでしょう。
サミットは、環境への配慮と持続可能性を意識した共同作業が重要であることを再確認させる貴重な機会となりました。これからの日本において、コウノトリが象徴する共生の理念が、地域農業の発展に大きく寄与することが期待されます。