全自動錠剤包装機「Eser」が調剤現場を変革
2023年9月4日、株式会社タカゾノと日立チャネルソリューションズが共同で開発した「錠剤監査支援装置付き全自動錠剤包装機 Eser(イーサー)」が市場に登場しました。この新型の機械は、最新のAI技術と画像認識システム「Pre-VIEW」を搭載しており、調剤の精度と効率性を大幅に向上させることが期待されています。
調剤現場のニーズに応える新機能
調剤薬局や病院薬剤部では、処方箋に基づいて調剤業務を行うだけでなく、適切な処方が実施されているかをチェックする監査も必要です。この監査業務が薬剤師には大きな負担となっており、ミスの予防や業務の効率化が求められています。このような現状に対応するため、タカゾノと日立チャネルソリューションズは、「Eser」を開発しました。
「Eser」は、従来の全自動錠剤包装機の小型モデルとして2機種(型式:ES-M130J4およびES-144J4)が用意されていますが、大きな特徴は監査支援装置が一体化されていることです。これにより、錠剤の一包化から監査までの一連のプロセスをこの一台で完結できるようになりました。
画像認識システム「Pre-VIEW」のメリット
この全自動機械に搭載された「Pre-VIEW」は、AIを活用した高精度な画像認識技術によって、搬送中の錠剤を一つずつ検出し、各種の特性(大きさ、色、刻印など)を正確に識別します。特に半透明の薬剤も高精度で検出できるため、薬剤の取り扱いが非常に安全です。
さらに、自動保存される監査データをクラウドサービスで管理できるので、業務の見える化や効率化も実現します。これにより、調剤現場での負担軽減が期待され、多忙な薬剤師の心理的負担を軽減することでしょう。
未来の展望
今回の革新的な技術導入により、調剤現場の業務が進化することが見込まれます。タカゾノは今後、他の機種にも同様の錠剤監査支援装置を組み込んだ製品を開発する予定であり、更に幅広いニーズに応える製品展開を進めていく方針です。
また、Eserは2024年9月22日と23日に埼玉県さいたま市で開催される「第57回日本薬剤師会学術大会付設薬科機器展示会」に出展され、実際の使用感を体験できます。展示会では、タカゾノの最新技術を直接確認する貴重な機会となることでしょう。
株式会社タカゾノの歩み
1963年創業の株式会社タカゾノは、分包機を中心に医療機器を手掛けてきました。国内におけるトップシェアを誇る同社は、時代のニーズに合わせた製品開発を続け、多くの信頼を得ています。特にユーザーの利便性と患者の健康を最優先に考え、品質向上に努めている点が評価されています。
今後も株式会社タカゾノは、革新的な製品の開発を通じて医療業界の発展に寄与し続けるでしょう。
まとめ
「Eser」の登場は、調剤現場における作業負担の軽減と業務効率化に寄与することが予測されます。この技術革新が医療の現場に与える影響は計り知れず、患者にとってより安心な医療環境の構築が進むことを期待します。