VHF帯で小型5Gシステム開発
2024-07-16 19:51:58

VHF帯ソフトウェア無線技術で超広域小型5Gシステム開発に成功!京都大学が実現した革新的通信技術

VHF帯ソフトウェア無線技術で超広域小型5Gシステム開発に成功!



京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授らの研究グループは、VHF帯における移動体対応高周波技術とオープンソースを活用したソフトウェア無線技術を用い、10kmを超える通信エリアを実現する超広域小型自営系(プライベート)5Gシステム(基地局、端末)の開発に成功しました。

この画期的なシステムは、従来の5Gシステムが使用している3、4GHz帯よりも波長が10倍以上長く、長距離伝送に適したVHF帯(200MHz帯)を採用しています。京都大学はこれまで、このVHF帯を活用したブロードバンド移動通信システムの研究開発、標準化、商用化に取り組んできました。特に、国際標準化された広域系無線地域ネットワーク(Wi-RAN)の開発では、災害現場における映像伝送や情報伝達手段として活用されています。

今回の研究開発では、5Gシステムの利用ニーズの高まりを受け、VHF帯においても5Gシステムを実現するために、以下の3つの技術革新を実現しました。

1. 小型PCに5G NRの基地局機能と端末機能を搭載: オープンソースを活用し、13cm x 13cm x 5.6cm程度の小型PCに5G NRの基地局機能(gNB)と端末機能(UE)をソフトウェアで搭載することに成功しました。
2. VHF帯での5G NR変調・復調を実現: 小型PCにソフトウェア無線機を接続することで、VHF帯における5G NRの変調と復調を実現しました。さらに、Wi-RANで培われた小型のVHF帯高周波部と接続することで、送信出力5W、受信側では2ブランチのダイバーシチを実現しました。
3. 移動通信に必要な機能を開発: 送信側の自動送信電力制御機能(APC)と、受信側の自動利得制御機能(AGC)を新たに開発し、ソフトウェア無線機に搭載しました。これにより、端末が高速に移動しても高品質な送受信を達成しました。

この成果により、数kmから10km程度の範囲内で、センサー、メーター、モニターが必要な様々なアプリケーションや、災害時の仮設的な情報伝達、映像伝送手段として、簡易に5Gシステムを提供することが可能になります。

京都大学は、国内の大学として初めてOAI(OpenAirInterface) software Allianceに正式加入し、オープンソースを活用することで、VHF帯に適した無線パラメータで5G-NRを運用しています。

今後の研究開発では、VHF帯における5Gシステムのさらなる高機能化、小型化、低消費電力化を目指していく予定です。

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