名古屋市の新たな試み、「OiTr」の設置
2025年7月16日、名古屋市に新しい時代のトイレ環境が誕生しました。商業施設「星が丘テラス」に生理用ナプキンを常備した女性個室トイレ「OiTr(オイテル)」が導入され、誰もが安心して訪れることができる場所が整備されました。この取り組みは、トイレットペーパーのように生理用品が常に手に入る社会の実現を目指しており、実際に女性たちの生活をより豊かにすることを意図しています。
OiTrの導入背景と目的
オイテル株式会社(本社:東京都新宿区)の代表取締役である﨑山真氏は、このプロジェクトについて赤裸々に語っています。日本では未だ「生理の貧困」という社会問題が経済格差や機会損失を引き起こしています。この背景には、女性の社会進出が進む中で生理に対する理解不足や、制度的なサポートが不十分であることが挙げられます。彼らは「私たちにできることは何か?」と考え、OiTrを立ち上げました。
安全で快適なトイレ環境
「星が丘テラス」は、ライフスタイル提案型の商業施設として知られています。ここでは、多様な人々が訪れ、ショッピングやカフェ、文化イベントを楽しむことができます。今回の生理用ナプキン常備は、この場をより安心できる場所として提供するための重要なステップです。「人と自然を思いやる」という施設のビジョンにも共鳴し、女性にとっての安心感の向上を目指しています。
新たに設置されたOiTrは、設置台数8台で、訪れる人々に手軽に生理用ナプキンを提供しています。女性たちは無料で利用できるこのサービスを活用し、もしもの時も心配なく過ごすことができるでしょう。
あなたのスマートフォンで届く生理用品
OiTrは、スマートフォンを利用した画期的なサービスです。ユーザー登録を行うことで、専用アプリから生理用ナプキンを無料で受け取れるシステムを提供しています。毎回の利用で2時間ごとに1枚、最大で25日間で7枚がもらえます。これにより、外出先でも安心して過ごせる環境が整っています。
社会全体で解決すべき問題
生理用品の常備は単なる物質的な支援にとどまりません。清潔な環境や教育を含めた包括的アプローチが必要です。OiTrの活動を通じて社会全体が生理に関する意識を持ち、行動を起こすことが求められています。この認識が、未来のより良い社会を作るための第一歩となるのです。
これからのOiTr
OiTrは、全国28都道府県に3,445台設置されていますが、更なる拡大を目指しています。生理用ナプキンがトイレットペーパー同様に当たり前に存在する世界を実現するために、私たち一人ひとりがその必要性を理解し、行動することが求められています。
名古屋市の「星が丘テラス」におけるOiTrの設置は、その象徴的な取り組みです。今後も誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、さらなる進展を期待しています。