LGBTQフレンドリーな葬送ガイドブックが誕生
近年、日本ではパートナーシップ制度が広まり、LGBTQに対する理解は着実に進んでいます。その一環として、同性カップルの挙式をサポートするウェディング業界も多様化の波を受けていますが、葬送の現場には未だに厳しい現実があることをご存じでしょうか。
葬送の現状と課題
葬送業界には、様々な偏見や閉鎖的な文化が残っています。LGBTQ当事者たちは、愛する人を弔うことすら難しい場合が多く、心の準備が整わないまま死と向き合わざるを得ません。特に、高齢者だけでなく、若い世代でも突発的な事故や病気に見舞われることもあります。この厳しい現実の中で、性的少数者が希望する葬送を受けるためには、社会全体の理解が重要です。
例えば、一般的には「親族でないと祭祀承継できない」との誤解がありますが、実際にはそのような法律は存在しないのです。障壁は法的なものではなく、社会の理解不足や誤解に起因しています。
高まる必要性
このような葬送の課題を解決するために、LGBTQフレンドリーな葬送ガイドブックを策定するプロジェクトが立ち上がりました。特に、同性愛者の間でも愛を持った人を弔う気持ちは変わらないのです。この願いをかなえるために、エンディング業界の専門家、支援者たち、さらに各地域のLGBTQ支援団体が協力し合い、プロジェクトを推進しています。
プロジェクトの目的
1.
LGBTQフレンドリーな葬送ガイドブックの作成: このガイドブックは、LGBTQ当事者が希望する供養を受けるための具体的な助言や、必要な知識を提供します。
2.
エンディング業界のALLYな事業者の拡大: 多様な性に理解を示すALLYな事業者を増やし、業界全体の意識を高めていきます。
ガイドブックの内容と配布
制作されるガイドブックは二つのタイプがあり、当事者向けと事業者向けのものです。
- - 当事者用ガイドブック:希望する供養を受けられる可能性を高める内容が含まれ、初回1000部がLGBTQ当事者とその家族に無料配布されます。
- - 事業者用ガイドブック:このガイドブックは、1冊1000円(税抜)で販売され、事業者の理解を深めるためのものです。
クラウドファンディングの実施
この取り組みをさらに進めるためにクラウドファンディングを実施しています。LGBTQ当事者の不安を解消し、希望する形での葬送の実現へ一歩でも近づくよう、是非協力をお願いしたいと思います。
葬送に関する偏見を取り除き、愛する人を弔う権利が平等に保障される社会へ向けて、私たち一人ひとりが意識を持ち、行動に移さかなくてはなりません。