新しいスマート認証システムの実証実験がスタート
近年、オフィス環境におけるセキュリティの重要性が増す中、TOPPANエッジ株式会社、Sinumy株式会社、三菱HCキャピタル株式会社の3社が、顔認証とBluetooth®技術を組み合わせた新たなスマート認証システムの実証実験を開始することが発表されました。この実証実験は、2025年3月31日から4月18日までの期間、東京・新丸の内ビルディング内の三菱HCキャピタルオフィスで行われる予定です。
実証実験の目的と背景
この実証実験では、TOPPANエッジが提供するオフィス認証クラウドサービス「CloakOne®」の顔認証機能と、Sinumyが開発したBluetooth技術を活用した非接触認証技術「Sinumy Technology」を組み合わせます。これにより、ハンズフリーでの高精度な多要素認証が実現されます。
近年では、顔認証技術がオフィスの入退場管理に導入されることが一般的になりましたが、生成AIを利用したディープフェイクや誤認証のリスクが影響し、100%の安全性を保証するのは難しい状況です。そこで、複数の認証要素を組み合わせたシステムへの需要が高まっています。この背景を受け、TOPPANエッジ、Sinumy、三菱HCキャピタルが協力し、新たなスマート認証システムの開発に取り組むこととなりました。
各社の役割とシステムの特徴
TOPPANエッジは、「CloakOne®」を通じて顔認証を中心とした高セキュリティな認証サービスを提供します。さらに、このプラットフォームには高性能な生体検知機能が搭載されており、なりすましを防ぐための対策が施されています。
Sinumyは、Bluetoothを活用したハンズフリー認証技術に関して多数の特許を持ち、スマートフォンを使用した非接触の高速かつ高精度な認証を実現しています。これにより、利用者は認証端末に近づくことなくスムーズに認証ができるようになっています。
三菱HCキャピタルは、実証実験の具体的な内容や場所をコーディネートし、今回のシステム実現に向けた連携を支援します。3社は、2025年度中に商用サービスの提供を目指し、さらなる技術検証を行う予定です。
実証実験の概要と期待される効果
実証実験は約3週間にわたり、三菱HCキャピタルのオフィスにて行われる予定です。参加者として100人を予定し、実際の業務環境での効果を検証します。
この新しい認証システムでは、従来の顔認証とICカードの組み合わせによる約2.5秒の認証時間を大幅に短縮し、1秒未満のスピードでの認証が可能となる見込みです。これにより、入退出時の待機時間が削減され、より快適なオフィス環境が期待されます。
今後の展開
実証実験の後、TOPPANエッジ、Sinumy、三菱HCキャピタルは、認証の精度を向上させるための課題を解決し、2025年度中にサービス提供を開始する計画です。さらには、オフィス以外の用途、例えば来場受付や決済などに対応するサービスの開発も視野に入れています。これにより、セキュリティを強化しつつ、利便性も向上させることを目指しています。
このように、画期的な認証システムの開発は、オフィス環境をより安全かつ便利にするものとして期待されています。今後の進展にも注目が集まることでしょう。