金属3Dプリンティングの革新
近年、産業界では3Dプリンティング技術の進化が目覚ましいものがあります。その中でも、株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズが提供する新しいニッケル基超合金「EOS NickelAlloy IN738」と「EOS NickelAlloy K500」は、特に注目の的です。2024年12月からの販売開始が予定されており、これらの材料はEOS社製金属3Dプリンターの純正材料として位置づけられています。
3Dプリンティングの背景
3Dプリンティング技術は、さまざまな産業において高負荷部品製造のニーズに応えるための重要な手段となっています。特に高温環境での使用要求が高まる中、EOS社はこの流れに対応するため、革新的なニッケル基超合金を開発しました。これにより、機械部品の性能が向上し、より強靭で耐久性のある製品の提供が可能になります。
EOS NickelAlloy IN738の特性
用途
EOS NickelAlloy IN738は、高性能エネルギー機器やターボ機械システムの部品としての使用に最適化されています。
特徴
この合金は、高い耐熱性と引張強度を誇ります。実際には、引張強度は1,265 MPa、伸び率は4.5%という特性を持ちます。これにより、耐久性が求められるタービンブレードやエネルギー部品においても優れた効果を発揮します。
実績
たとえば、カナダのPrecision ADM社では、この素材を用いてエネルギー産業用のタービンブレードを製造しました。このブレードは、標準運転数の110%に達し、華氏1,700度の厳しい熱環境でも問題なく運用されました。この成功は、EOS IN738の性能を如実に示す例となりました。
EOS NickelAlloy K500の特性
用途
一方、EOS NickelAlloy K500は、宇宙関連のスラスターやノズル、化学プロセス用のポンプやバルブなどでの使用が期待されています。
特徴
この合金は、優れた機械的強度と耐腐食性、さらに適度な熱伝導率を兼ね備えており、極端な温度環境でも高い性能を保持します。
開発の背景
K500は、宇宙開発機関のニーズに応じて開発され、ニッケル合金の強度と銅合金の熱伝導性を併せ持っています。これにより、使用環境に応じた最適な性能が提供されています。
今後の展望
EOS NickelAlloy IN738とK500は2024年12月からEOS M 290シリーズ向けに、2025年上期からはEOS M 400-4向けに販売が開始される予定です。NTTデータ ザムテクノロジーズでは、これらの材料だけでなく、ユーザーのニーズに応じた独自の耐熱ニッケル基超合金IN738LCを開発し、特許も取得しています。さらに、様々な材料に対応した試作や3Dプリント技術の導入もサポートしています。
今日の産業界において、3Dプリンティングが当たり前の技術として普及することを目指し、NTTデータ ザムテクノロジーズは革新を続けていきます。