米糠からの新たな美容成分、フィチン酸の効果とは
最近、築野グループ株式会社が行った研究によって、米ぬか由来のフィチン酸が持つ美容効果が学術誌「応用薬理」に掲載されました。この研究は、日本の食文化に根ざした米ぬかから発見された新たな可能性を示すものとして、多くの関心を集めています。
フィチン酸とその美容効果
フィチン酸は、これまで主に天然のキレート剤として利用されてきましたが、今回の研究によってその美容効果が明らかになりました。具体的には、米糠から抽出したフィチン酸を0.5%配合したクリームを使い、健常な女性を対象に行われたプラセボ対照単盲検試験が実施されました。この試験では、半顔にはプラセボクリーム、もう半顔にはフィチン酸配合クリームがそれぞれ1日2回、12週間にわたり塗布されました。
試験の結果、フィチン酸を配合したクリームを使用した部位では、メラニン指数、弾力、シワ、キメが有意に改善されたことが確認されました。また、被験者の方々に回答していただいた皮膚状態に関するアンケートでも、シミやくすみ、皮脂のバランス、肌の健康感などの項目で改善が見られました。
米ぬかの持つ高度有効利用
この研究成果は、米ぬかの有用性をさらに明確に示したものといえるでしょう。築野グループは、長年にわたり、米ぬかの成分に注目し、その可能性を追求してきました。彼らの事業は、精米時に発生する米ぬかを基にした「こめ油製造事業」、ファインケミカル事業、オレオケミカル事業の3つに分かれています。米ぬかだけでなく、非可食部や副産物も活用し、様々な分野での循環型利用に努めているのです。
また、築野グループは、オレオケミカルの技術を活かした「廃食用油」のリサイクルも行っており、持続可能なビジネスモデルを構築しています。今後も国内の資源を最大限に活用し、地球、消費者、生産者のためのいい循環を実現していこうとしています。
まとめ
フィチン酸の研究結果は、美容業界において新たなアプローチを提供するものであり、今後のスキンケア製品の開発においても非常に重要な役割を果たすことでしょう。米ぬかという、日本の伝統的な資源からの新しいレパートリーが広がっていくことに期待が膨らみます。築野グループの取り組みは、他の企業へのインスピレーションともなることでしょう。