SXSW2020の美と霊性
2020-02-28 14:50:27
SXSW2020にて「The New Japan Islands」が提案する未来の美と霊性の融合
SXSW2020における「The New Japan Islands」の挑戦
2020年3月、アメリカ・テキサス州オースティンで開催された世界最大のテクノロジーとカルチャーの祭典「SXSW」に、プロジェクト「The New Japan Islands」が出展しました。今年の統括ディレクターは、著名なメディアアーティストである落合陽一氏が務めています。
全体コンセプト:ハイパー霊性
「ハイパー霊性 - 超感覚がめぐるところ」というテーマのもと、The New Japan Islandsは、深い山奥や荘厳な自然に身を置いた時に感じる「聖なる何か」を再現します。人々が自然に抱く畏怖の念を通じて、新たな世界を発見し、身体と世界のつながりを探求します。これにより、私たちがデジタル情報に常時接続される現代において、過去や未来の感覚を鮮明に呼び起こすことを目指します。
具体的には、身体を通じて生まれる「Hyper Intuition」とは、インターネット上で生成される無数のイメージや情報から引き出される感覚です。新しい創造が生まれる瞬間を捉えることを狙っており、日本古来の美意識とデジタル時代の感性が融合します。
空間コンセプト:霊性のたゆたう場所
「Field of Divine Nature」と名付けられた空間では、観客が霞がかった部屋の中を進むことで、3200万画素の8K映像で映し出される日本の民芸を体感します。これらの工芸品はそれぞれの土地の自然に根ざし、主観をも超越した美しさを持っています。8K映像を通して「見る」ことから「観る」ことを促し、アナログとデジタルを融合した空間を体験することが可能です。
また、この場所には未来の創造の種が含まれており、民芸の「美」は人間と自然、テクノロジーと伝統といった対立を越えて、柔軟でしなやかな美意識を育む原動力となることが期待されています。
The New Japan Islandsの理念
「The New Japan Islands」は、日本の経済産業省、企業、アーティスト、学術関係者、文化人が協力して、未来のビジョンを模索し発信するプロジェクトです。第4次産業革命の流れの中で、環境問題や人間性の喪失といった現代の課題に直面している中、「0次産業革命」という新たなコンセプトを提案しています。これは、近代の資本主義の限界を突破し、自然と調和を重視した自律的な社会を目指すものです。
日本の文化や美意識がこのプロジェクトの核心にあり、特に日本庭園などに見られる職人技や自然との調和を通じて、未来への道を示す取り組みが行われています。「懐かしさを感じる未来」を日本から発信し、産業とカルチャーを結ぶメッセージとして展開しています。
まとめ
SXSW2020において「The New Japan Islands」は、霊性とデジタルが交差する新たな美の哲学を提案しました。落合陽一氏のもと、未来のビジョンを探求するこのプロジェクトは、観客に新鮮なインスピレーションを与えることを目的としています。アナログとデジタル、伝統と革新の狭間で、新しい価値観が生まれる瞬間を目撃することができるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
The New Japan Islands 実行委員会
- 住所
- 東京都港区赤坂4-8-18
- 電話番号
-