日本加除出版と大日本印刷が拓く新たな相談の形
近年、私たちの生活においてAI技術がさまざまな場面で活用されています。特に、個々の悩みをサポートする分野において、AIの可能性はますます注目されています。この度、日本加除出版株式会社と大日本印刷株式会社、そして株式会社Hexabaseは、AIを活用した新しい相談サービス「離コンパス」と「メタバース役所」を連携させ、革新的な住民向け相談窓口を実現すべく実証事業を開始しました。
背景と目的
日本では、公共機関への相談がSNSなどを通じて増加しています。しかし、特に「離婚」に関する悩みは、相談先がわからない、または周囲に知られたくないといった理由から、相談が難しいという側面があります。このような中、日本加除出版は専門知識を持ったAIカウンセラー「離コンパス」を開発しました。このAIは、24時間365日いつでも、プライバシーを確保しながら相談ができる環境を提供しています。
今回の実証事業は、居住地に関わらず、誰もが安心して相談できる場を作ることを目指しています。特に、DNPが開発した「メタバース役所」が提供するバーチャル空間は、リアルなアバターを通じて表情豊かにやりとりできるため、ユーザーにとっても寄り添いが感じやすい、安心感のある環境となることでしょう。
実証事業の概要
この実証事業は、2025年3月11日から3月25日までの期間に行われ、7つの自治体が参加します。メタバース役所内には、AIカウンセラーが配置され、夫婦間の悩みや、家庭内の問題に関する相談を受け付けます。利用者は自宅から簡単にアクセスでき、パソコンやスマートフォンのブラウザを使い、特別なアプリは必要ありません。さらに、相談は無料で提供され、1回の相談は最大60分までとなっています。
参加者は、各自治体のHPやLINEなどから告知を通じ、その後、専用URLからアクセスし、AI相談員に相談する流れです。相談後にはアンケートに回答することで、サービスの向上へとつなげていきます。
AI相談員の強み
このAI相談員は、離婚に関する専門知識が豊富であり、利用者の悩みに寄り添う設計がされています。具体的には、相談者の感情や悩みを整理し、的確な情報やアドバイスを提供します。また、プライバシー保護機能が備わっており、安心して相談できる環境を整えています。
今後の展望
実証事業を経て、離コンパスは自治体サービスの一つとして定着することが期待されています。これにより、利用者の生活環境に合わせた具体的な支援が可能になるでしょう。また、AIの学習機能を向上させ、より良いサービス提供へとつなげる努力も続けられます。
この取り組みが成功すれば、「心の整理や状況把握」、「適切な相談先を把握するための事前整理ツール」として、多くの人々に役立つサービスになる可能性があります。私たちの新しい相談窓口が、AIの力でより良い社会を創造する一助となることを願います。