省エネ建築物の評価
2024-12-02 13:25:15

省エネ建築物の新たな利点を定量化、12の指標が示す価値とは

株式会社NTTファシリティーズとデロイト トーマツ グループが共同で、省エネ建築物の新築や改修における様々な効果を定量評価するための指標を整備し、2023年12月に発表を行いました。この取り組みは、エネルギーの削減だけではなく、もたらされる広範な効果、いわゆるNon-Energy Benefits(NEBs)を評価することを目的としています。新たに策定された12の指標は、省エネ建築物が地域貢献やブランド向上、さらには従業員のウェルビーイングの向上にどのように寄与するかを明示しています。

これまで、NEBsの評価指標のうち8項目については既にロジックが公開されておりましたが、今回新たに残りの4項目についての定量化ロジックが追加され、全12項目の整備が完了しました。これにより、省エネ建築物の新築や改修に伴う経済的価値の評価が一層明確になり、特に地域貢献やブランディングなどの数値化の難しい側面も数値で示されることになりました。

具体的には、各項目を「人材価値の向上」や「企業価値向上」などの5つのグループに整理することで、NEBsの活用をより実践的に行うことができるよう配慮されています。この枠組みは、企業や自治体が持つ資産の脱炭素化のための投資判断を行う際に、大いに役立つと期待されています。

NTTファシリティーズは長年にわたりZEBプランナーとして多くの省エネ建築物の設計や監理を行ってきました。一方、デロイト トーマツもカーボンニュートラル支援の経験を有し、オフィスビルの従業員の健康や労働環境の向上に努めてきた実績があります。両者はこれらの知見を活かし、21年の4月からこのプロジェクトに取り組み始めました。

新たに作成されたNEBs指標では、改善されたオフィス環境が従業員の離職率を低下させることや、会社全体のブランド力向上に寄与する点などが定量化されています。特に「地域貢献・ブランディング」に変更された項目では、単に美観の改善だけでなく、地域社会への環境意識の向上や企業のブランド力のアップという側面も考慮されています。

また、ダイダン株式会社との連携により、自社ビルのZEB化に関する実データを基に、NEBs指標の検証が行われました。その結果、NEBsを考慮した投資回収年数が通常のエネルギー消費を考慮した場合の約1/4になるとの見解が得られ、ZEB導入のメリットが明確に示されました。特に今回新たに明らかになった地域貢献や社内啓発などの効果が、NEBs全体の約10%を占めることが分かりました。

今後、NTTファシリティーズとデロイト トーマツは、さらに多くの建物を対象にNEBsの評価を行い、その成果を蓄積することで、より深い理解と適用を進めていきます。また、テナントビルや商業施設など、異なる用途に応じた指標の開発も進めていく予定です。このような取り組みを通じて、省エネ建築物の普及を促進し、カーボンニュートラルの目標達成に寄与していく構えです。


画像1

画像2

画像3

画像4

会社情報

会社名
株式会社NTTファシリティーズ
住所
東京都港区芝浦3-4-1グランパークタワー
電話番号
03-5444-5112

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。