口腔機能トレーニングアプリ『おくちトレーナー』の新しい研究成果
株式会社ゼネテックとそのグループ会社、株式会社モアソンジャパンが共同開発した口腔機能トレーニングアプリ、『おくちトレーナー』が注目を集めている。最近、東京で開催された第10回歯科人工知能研究会において、このアプリに関する研究成果が発表された。
『おくちトレーナー』とは
『おくちトレーナー』は、かむ力や飲み込む力を向上させるためのスマートフォン向けアプリである。本アプリでは、スマートフォンのカメラを使用して利用者がどのように顔を動かしているかを計測し、かむ年齢や咀嚼回数、速度などのデータを可視化することができる。そして、日常のトレーニングの積み重ねにより、誤嚥性肺炎の予防やオーラルフレイルの防止に寄与することを目指している。
このアプリの開発には、鹿児島大学病院や熊本大学などの大学研究機関と連携しており、医療の現場においても実用化され始めている。これにより、より多くの人々が手軽に口腔機能を向上させる機会を得ることが期待されている。
研究成果の内容
研究会では、鹿児島大学病院の佐藤秀夫氏が発表した内容が注目を集めた。本研究では、アプリを用いて口元の動きをAIが解析し、「今、噛んでいるのかどうか」をリアルタイムで判定する技術が開発された。この技術により、非接触かつマーカーレスで咀嚼回数を計測できるようになった。
具体的には、アプリは顔や口のわずかな動きを連続的にデータとして取り込み、AIがこれを解析する。口を開く、閉じるといった動作を分類し、開くから閉じるまでの1サイクルを1回の咀嚼としてカウントする仕組みである。これにより、日常的なスマートフォンを使用したトレーニングが可能になり、臨床の現場や自宅での利用が期待されている。
今後の展開
この研究によって得られた技術は、モアソンジャパンがヘルスケアビジネスでの新たな可能性を広げることに繋がる。今後は、医療や研究、産業関係者との連携を強化し、医療現場のDX (デジタル・トランスフォーメーション) にも寄与していく方針だ。
『おくちトレーナー』の公式サイトでは、製品の詳細やダウンロード情報が掲載されており、興味がある方はサイトを訪れてみてほしい。
『おくちトレーナー』製品ページはこちら
ゼネテックとモアソンジャパンについて
株式会社ゼネテックは1985年に設立され、システムソリューション事業やエンジニアリングソリューション事業を行っている。株式会社モアソンジャパンも1982年設立で、ソフトウェアの開発や販売を通じて多岐にわたるビジネスを展開している。
このように、革新的な技術を持つ両社がタッグを組むことによって、今後の医療やヘルスケア分野において、さらなる発展が期待される。口腔機能の向上に向けた新しいアプローチが日々進化し続けている。