キユーピーとカゴメ、未利用野菜資源の新たな可能性を研究開始

未利用野菜資源の新たな研究

キユーピー株式会社とカゴメ株式会社は、新たに未利用野菜資源をバイオ炭化するための共同研究を開始しました。この取り組みは、野菜に関連する事業に力を入れている両社が、サステナビリティに関する課題に取り組むことを目的としています。これにより、より持続可能な農業の実現に貢献することを目指しています。

バイオ炭とは？

バイオ炭とは、植物性バイオマスを酸素の少ない環境で加熱し、炭として生成されるものです。土壌改良や炭素の貯留に効果があり、一般的な堆肥と比べて分解されにくく、長期間土壌に留まる特性があります。これにより、農地の健康を保つためには非常に有用です。

研究の背景

地球温暖化の影響が深刻化する中、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を策定し、バイオ炭の農地施用を推進しています。これは、土壌改良効果や炭素貯留効果が確認されているためです。同時に、野菜生産における収穫残さや加工残さといった未利用資源の活用が常に課題として存在しています。両社は、自然の力を生かしながら事業を展開しているため、この問題に積極的に取り組むことが求められています。

共同研究の目的

1. バイオ炭化技術の確立
- 高い水分を含む野菜資源を効果的にバイオ炭化する技術を開発することが目指されています。具体的には、効率的な脱水方法や炭化技術の確立です。

2. 栽培特性の評価
- 野菜由来のバイオ炭の農業利用時における有効性を検証し、土壌改良や作物の生育促進効果の確認も行います。

3. カーボンネガティブなモデル構築
- バイオ炭の生産と利用を通じて、CO2の吸収と排出削減を実現し、J-クレジット制度を活用して持続的なカーボンネガティブモデルを確立することを目指します。