業界初のロングリードWGSサービス「プロフェッショナル」とは
ジーネックス株式会社が新たに発表した全ゲノム検査サービス「プロフェッショナル」は、業界初の一般消費者向けロングリードWGSを導入したものです。このサービスにより、より精度の高いゲノム情報が提供され、健康管理や病気の診断において大きな進歩が期待されます。
ロングリードWGSの重要性
これまで、全ゲノム解析にはショートリードWGSが主に使用されてきました。ショートリードシーケンサーは、DNAを数百塩基の小さな断片に分解し、それぞれを解析する方法ですが、複雑な構造バリアント(SV)を検出するには限界があります。考えられる問題としては、大きな欠失や挿入、逆位や転座などの構造変化を正確に把握できない可能性があります。
この点において、ロングリードWGSは数千塩基から数十万塩基のDNA配列を一度に読み取る能力を持っており、SVの検出をより正確に行うことができます。世界的にこの技術は発展途上にあり、研究者による利用は限定的でしたが、今後一般消費者向けにこのような高精度な解析が可能になったことは、非常に意義があります。
プロフェッショナルの概要
「プロフェッショナル」の全ゲノム検査サービスの内容は以下の通りです:
- - 次世代シーケンサー: PacBio Revio system
- - データ容量: おおよそ60Gb相当(約20カバレッジ)
- - 利用検体: 唾液または口腔粘膜
- - 検体採取キット: Oragene®・DISCOVER(型番:OGR-600)
- - 参照データベース: ClinVar、ClinGen、Mitomap、など多数
- - 販売価格: 498,000円(税別547,800円)
- - 支払方法: クレジットカードまたは後払いペイディ
健康管理支援の新たな選択肢
ジーネックスは、全ゲノム検査サービスを通じて高精度なデータに基づく健康管理の質の向上を目的としています。今回の「プロフェッショナル」導入により、これまで診断が難しかったケースでも、より多面的な解析が可能になることで、多くの人々の健康を支援できることが期待されています。さらに、サービスの価格展開にも挑戦し、広く利用されることを目指しています。
ジーネックスは、全エクソーム検査サービス「エントリー」なども併せて提供し、今後の健康管理の新しいスタンダードを築いていくでしょう。
会社概要と今後の展望
ジーネックスは2019年に設立されたベンチャー企業で、主な株主にはマネックスグループや科研製薬などが名を連ねています。ロングリードWGSによる全ゲノム検査を提供する国内唯一の企業として、今後もゲノムデータを活用した共同研究やコンサルティング業務を展開していく予定です。特に希少疾患領域においては、埼玉医科大学や他の医療機関との連携を強化し、より多様な分野における研究開発を進めていく考えです。
いよいよ生活の一部としてゲノム検査が定着しつつある中で、ジーネックスの取り組みはこれからの健康管理における重要な役割を果たすことになるでしょう。