サステナビリティ・ESG関連求人の最新動向
1. サステナビリティ・ESG市場の成長
2023年も引き続き、サステナビリティ・ESGの分野での人材採用が急速に拡大しています。株式会社コトラ(本社:東京都港区)が行った調査によれば、求人数の増加傾向は顕著であり、さまざまな業種や職種にわたって需要が高まっていることが分かります。従来のサステナビリティ関連職が安定した案件を確保している一方で、新たな求人は少し落ち着きを見せていますが、これが一時的なものと考えられています。
2. 各業種におけるニーズの変遷
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、ESG関連の人材ニーズも新規受注の減少を経験しています。これは、クライアント企業がTCFDに基づく情報開示を行き渡らせた成果とも言えます。しかし、サステナビリティを推進するための実行支援へのニーズは今後増えると期待されており、それに伴う人材の需要も増加する見通しです。
金融業界
一方、金融業界ではサステナブルファイナンスの重要性が増しており、サステナビリティ・ESG関連求人は高まっています。日本政府もGX投資やインパクト投資の拡大に向けた法整備を進めており、これが金融業界の動向に強く影響しています。さらに、経済的リターンだけでなく、社会的なインパクトも重視される時代に突入しています。金融以外の領域での経験や技能が求められるため、専門的なバックグラウンドを持つ人材が入ってくるチャンスも増えています。
3. 求人市場の幅広い展開
事業会社でも、ESG推進担当や新エネルギー関連ビジネスの職位が増加しており、サステナビリティに関連した人材の需要が広がっています。近年では、GHGの管理システムの導入やCO2回収技術の開発といった具体的なビジネスディベロップメントに直結するポジションも注目されています。
4. 人材ニーズの拡大と多様化
今後もサステナビリティ・ESGのビジネス領域はさらに多様化し、幅広いスキルや経験が求められるでしょう。企業は特化した人材だけでなく、関連する技術や知識を持つ人材を求めており、幅広い背景を持つ人々が活躍できる場面が増えています。日本政府もこの流れを受けて、官公庁においてもESGの専門家の必要性を訴えています。
5. 結論
サステナビリティ・ESG関連ビジネスは、今後もその裾野を広げ続けると予想されています。金融、コンサルティング、事業会社を問わず、さまざまな業種・職種での人材ニーズが高まる中、私たちも新たな知見やスキルを吸収しながらこの変化に対応していく必要があります。
© 株式会社コトラ